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“二刀流“開幕から38日目の快「投」乱麻(5月3日)
「長い間待たせましたけど、これからは連勝したいなと思いますので、応援よろしくお願いします」21歳の若武者は今季初めて、投手としてのお立ち台に立った。
北海道日本ハムファイターズの大谷翔平が、6度目の先発となる1日のマリーンズ戦で今季初勝利を上げた。開幕戦で昨年最多勝を分け合ったマリーンズ涌井秀章との対決に敗れて以降、勝ち星に恵まれなかった大谷。最多勝のみならず、最優秀防御率、最高勝率の3冠に輝いた昨シーズンは、7割5分の勝率を誇ったが、一体どこで歯車が狂ってしまったのだろうか?この日のマリーンズ戦でも、序盤に5点の大量援護をもらいながら2回裏、好調マリーンズ打線に捕まり今季ワーストの4失点を喫した。...
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「長い間待たせましたけど、これからは連勝したいなと思いますので、応援よろしくお願いします」21歳の若武者は今季初めて、投手としてのお立ち台に立った。
北海道日本ハムファイターズの大谷翔平が、6度目の先発となる1日のマリーンズ戦で今季初勝利を上げた。開幕戦で昨年最多勝を分け合ったマリーンズ涌井秀章との対決に敗れて以降、勝ち星に恵まれなかった大谷。最多勝のみならず、最優秀防御率、最高勝率の3冠に輝いた昨シーズンは、7割5分の勝率を誇ったが、一体どこで歯車が狂ってしまったのだろうか?この日のマリーンズ戦でも、序盤に5点の大量援護をもらいながら2回裏、好調マリーンズ打線に捕まり今季ワーストの4失点を喫した。元々立ち上がりはあまり良くない大谷だが、もしこの試合がエース級の投げ合いであったなら、勝負が決していたかもしれない展開だった。しかし、そこは流石に日本を代表する右腕。3回以降は立ち直り、1本のヒットも許さぬ見事なピッチングを披露。最終回もラストバッターを158kmで仕留め、今季1勝目を完投で飾って見せた。
これでファイターズはマリーンズ戦の連敗を止めて3位をキープ。試合後の栗山監督は待望のエース初白星にも「今年で一番悪い投球だった」とおかんむりの様子。それでも「あれだけ情けない投球でも、立ち直れるのはすごい能力」と讃え、完全復活に期待を示した。GW後半戦はホーム札幌ドームに戻り、首位を独走中のホークスを迎え撃つことになる。決戦に向けて大谷の勝利は大きな弾みのつくものだった。二刀流のもう一つの顔・バッティングでは、ここまですでに3ホームラン、得点圏打率は.400と好調。“熱パ“を斬る大谷の活躍が、益々ペナントレースを盛り上げてくれることだろう。
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大記録達成も変わらぬ日常・鉄人のマイルストーン(5月1日)
「特別な感慨はない。随分と時間がかかってしまったという印象です」イチローは普段と変わりなく、冷静に自らの記録を振り返った
29日のマーリンズvsブルワーズ戦。1番・ライトで先発出場したイチローは、初回にライト前ヒットで出塁すると、今シーズン2つ目の盗塁を決め、大リーグ通算500盗塁数を達成。現役選手で最多、39人目の大記録達成である。マーリンズの公式twitterは「イチローは500盗塁、2900安打を達成したわずか8人の選手となった」とその業績を賞賛。...
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「特別な感慨はない。随分と時間がかかってしまったという印象です」イチローは普段と変わりなく、冷静に自らの記録を振り返った
29日のマーリンズvsブルワーズ戦。1番・ライトで先発出場したイチローは、初回にライト前ヒットで出塁すると、今シーズン2つ目の盗塁を決め、大リーグ通算500盗塁数を達成。現役選手で最多、39人目の大記録達成である。マーリンズの公式twitterは「イチローは500盗塁、2900安打を達成したわずか8人の選手となった」とその業績を賞賛。この日のイチローは9回にも安打を放ち、2安打1四球1打点の活躍。チームの6連勝に貢献した。
今シーズンは途中出場の多いイチロー。22試合中、先発したのはこれが12試合目だった。だが今週、チームのリードオフマンのディー・ゴードン内野手が禁止薬物使用で、80日間の出場停止処分が科せられる緊急事態に。イチローも目をかけていた主力のスキャンダルに、チーム内に動揺が走った。代役としてきっちりと先頭打者の役割を果たしたイチロー。皮肉なことだが今後先発出場の機会は増えることだろう。
大リーグ移籍から16年目のシーズン。メジャー現役選手中、最高齢の野手となったイチローだが、ここまでの打率は16試合で.345をマーク。守備、走塁ともに衰えを感じさせない驚異の鉄人ぶりである。この日の2安打でメジャー通算安打数を2945安打とし、歴代単独32位に浮上。盗塁数もNPBでの199盗塁と併せた日米通算700盗塁にも王手がかかった。
いつもクールなイチローだが、記録達成直後にベンチでチームメートの祝福を受けた際は屈託のない笑顔を見せた。今季は記録達成ラッシュとなると思われるが、この42歳の永遠の野球少年は淡々と数字を積み重ねていくに違いない。
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日本柔道復活に向けて・取り戻せ、最重量級の頂き(4月30日)
29日、日本武道館で行われた全日本柔道選手権。唯一まだリオデジャネイロ五輪代表が決まっていない男子100キロ超級の代表選考を兼ねた闘いは予想外の展開となった。
本命視されていたのは2年連続世界選手権・銀メダルの七戸龍(27)。そしてその七戸を4月2日の選抜体重別で破った原沢久喜(23)。順当に勝ち進めば決勝で激突するこの二人による決着が予想されていた。ところが、準決勝で七戸が一昨年の王者・王子谷剛志に一本負け。...
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29日、日本武道館で行われた全日本柔道選手権。唯一まだリオデジャネイロ五輪代表が決まっていない男子100キロ超級の代表選考を兼ねた闘いは予想外の展開となった。
本命視されていたのは2年連続世界選手権・銀メダルの七戸龍(27)。そしてその七戸を4月2日の選抜体重別で破った原沢久喜(23)。順当に勝ち進めば決勝で激突するこの二人による決着が予想されていた。ところが、準決勝で七戸が一昨年の王者・王子谷剛志に一本負け。続く準決勝二試合目では、何と原沢までもロンドン五輪代表の上川大樹に0―3で判定負けを喫してしまった。結局、同階級は決勝で上川を破った王子谷が二年ぶりの栄冠に輝いた。
大会終了後、男子100キロ超級代表について、全日本柔道連盟はこれまでの実績などから満場一致で原沢を代表に選出。「この1年ずっと勝ち続けてきたのに最後にこんな形で悔しくて情けない」と、初の代表決定にも晴れない顔の原沢。彼にとって王子谷は同期のライバル。すっきり優勝という形で代表を決められなかったことを悔やんだ。一方、七戸も原沢に対しては0勝4敗と未勝利のまま。この大会で雪辱を果たし、初の五輪代表を射止めることはできなかった。
前回のロンドンでは五輪史上初めて“金メダル0”という屈辱を味わった日本の男子柔道。最重量の100キロ超級では2回戦敗退にとどまった。現在、世界選手権7連覇中のテディ・リネールが君臨するこの階級。七戸も世界柔道決勝で2度対戦して崩せなかった最強の壁だ。204cmの規格外の絶対王者を破らない限り金メダル奪還は不可能。実は原沢はリネールとは未だ対戦がない。「選ばれたからには、五輪で金を取ると決めて、死にものぐるいでやる」と誓う23歳の若武者に日本柔道復活の大役が託される。
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悪夢のような敗北…最強チャンプが敗れた夜(4月29日)
どよめきと悲鳴に包まれた大田区体育館。いつものように華麗なKOダイナマイトの炸裂を期待した観客の眼前に、悪夢が繰り広げられていく。12度目の防衛に挑んだ日本人唯一のスーパーチャンピオン・内山高志は挑戦者のラッシュにキャンバスへ崩れ落ちていった。
この日行われたトリプル世界戦の大トリを飾るWBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ。直前に同じジムの後輩、WBAライトフライ級王者・田口洋一とスーパーフライ級王者・河野公平がともに3度目の防衛に成功。...
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どよめきと悲鳴に包まれた大田区体育館。いつものように華麗なKOダイナマイトの炸裂を期待した観客の眼前に、悪夢が繰り広げられていく。12度目の防衛に挑んだ日本人唯一のスーパーチャンピオン・内山高志は挑戦者のラッシュにキャンバスへ崩れ落ちていった。
この日行われたトリプル世界戦の大トリを飾るWBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ。直前に同じジムの後輩、WBAライトフライ級王者・田口洋一とスーパーフライ級王者・河野公平がともに3度目の防衛に成功。勝利の凱歌のお膳立ては完ぺきに整っていた。だが、スーパー王者・内山高志vs暫定王者・Jコラレスの一戦はまさかの展開を迎える。1Rから左右の連打で積極的に攻め込むコラレス。右にスイッチし、バックステップを駆使する変則的なボクシングに内山はペースを乱される。2R、中盤の打ち合いから内山の顔面にコラレスのフックがクリーンヒット。実に3年5か月ぶりのダウンを喫してしまった。立ち上がったものの足元がふらつくチャンピオンにコラレスは追い打ちをかける。2度目のダウンを取られた内山は、クリンチで逃げ切るかと思われたが、猛然と攻撃に出ていった。それは80%を超える日本人歴代王者最高のKO率を誇る最強王者の意地だったのだろうか。最後はロープ際に詰められ3ノックダウンで試合終了。2ラウンド2分59秒。残りわずか1秒でのKO負けとなった。
具志堅用高の持つ日本人最多防衛記録まであと2つに迫っていた内山。これでアメリカ進出、他団体との統一戦は白紙に。内山は試合後「まだまだずっと防衛していくつもりでいたので何とも言えない。今はまだよく分からない。まだ負けたのもよく分からない」と呆然。我々ファンもまだこの残酷な事実を受け止めきれない。
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新生なでしこジャパン・初の女性監督とともに(4月28日)
日本サッカーA代表で初の女性監督が誕生した。27日、都内で開かれた女子日本代表・なでしこジャパンの高倉麻子新監督の記者会見。「今まで積み重ねてきたものに、更に磨きをかけて、もっと高いところに選手を連れていく」と語る新指揮官は、現役時代に2度のW杯を経験し、女子サッカーが初めて正式種目となったアトランタ五輪にも出場。国際Aマッチ79試合で30得点を挙げた“元祖なでしこ”である。
だが、それ以上に特筆すべきは指導者としての輝かしい実績だ。...
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日本サッカーA代表で初の女性監督が誕生した。27日、都内で開かれた女子日本代表・なでしこジャパンの高倉麻子新監督の記者会見。「今まで積み重ねてきたものに、更に磨きをかけて、もっと高いところに選手を連れていく」と語る新指揮官は、現役時代に2度のW杯を経験し、女子サッカーが初めて正式種目となったアトランタ五輪にも出場。国際Aマッチ79試合で30得点を挙げた“元祖なでしこ”である。
だが、それ以上に特筆すべきは指導者としての輝かしい実績だ。14年からU-17の代表監督に就任すると、U-17W杯で初優勝。昨年はU-19アジア選手権も制した。AFC女子年間最優秀監督には12年から昨年まで4年連続で選出されている。今回U―20女子日本代表監督も兼務して、フル代表の指揮を執ることとなるが、「今まで素晴らしい成績を収めた選手たちと若手を融合して新しい強いなでしこジャパンを作っていきたい」と明確なビジョンを語ってくれた。リオへの切符を逃した最終予選でフル代表のなでしこジャパンは、対戦国から研究し尽くされ、かつて世界を席巻した戦術も機能不全に陥っていた。新指揮官には、予選で輝きを見せた岩渕や横山ら新世代、そしてU-19のキャプテン・杉田妃和(ひな)らも含めた新なでしこを作り上げてくれる事を期待したい。
どの大会でも優勝を目指すという高倉新監督。「簡単なことではないが、全員がそこに向かって日々生きることがそこに繋がっていく」という言葉は、過去に五輪出場を逃し、冬の時代を経験した者の重い言葉だ。幸い3月に開幕したなでしこリーグは、観客の落ち込みはなく、各地で「皆で女子サッカーを盛り上げ続けよう」のメッセージが掲げられている。この声援を糧に、再生までの貴重な日々を戦い続けて欲しい。
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