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稀勢の里、4度目の綱取り挑戦・綱の重みとは(6月30日)
来月10日から始まる大相撲名古屋場所の番付が発表された。二場所連続で準優勝(13勝2敗)の大関・稀勢の里は先場所に引き続き、綱取りのかかる場所となる。場所前の記者会見では「ここまで応援してくれる人がたくさんいると思うと、恩返しをしなくちゃいけないという気持ちがある」と強い決意を語った。
しかし、稀勢の里は優勝未経験なだけでなく、これまで14勝以上を挙げたことはない。ここ2場所では、これまで多かった前半戦での取りこぼしを喫していないことが好成績につながってきた。...
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来月10日から始まる大相撲名古屋場所の番付が発表された。二場所連続で準優勝(13勝2敗)の大関・稀勢の里は先場所に引き続き、綱取りのかかる場所となる。場所前の記者会見では「ここまで応援してくれる人がたくさんいると思うと、恩返しをしなくちゃいけないという気持ちがある」と強い決意を語った。
しかし、稀勢の里は優勝未経験なだけでなく、これまで14勝以上を挙げたことはない。ここ2場所では、これまで多かった前半戦での取りこぼしを喫していないことが好成績につながってきた。「14勝目の壁」を突破することが出来れば、自ずと初の賜杯も近づいてくる。その前に立ちふさがるのは、やはり最強の横綱・白鵬の高い壁だ。
先場所、圧倒的な強さで全勝優勝を飾った白鵬。歴代の横綱のあらゆる記録を塗り替え、一時は目標を見失い、一種の“燃え尽き症候群”のような傾向も見られた。そんな大横綱を奮い立たせたのが「通算1000勝」という新たな偉業。この名古屋場所で13勝を挙げれば遂にその大台に到達する。おそらく13日目に割が組まれる稀勢の里は、最高のモチベーションで待ち構える横綱と闘うことになるだろう。
一方、その白鵬は稀勢の里に対してこんなメッセージを発した。「綱取りという言葉を理解してもらいたい」それは“綱の責任“や”品格“という重圧に晒され続けてきた者からの問いかけ。「絶対に負けられない」という綱の重みに対し、稀勢の里がどのように応えるか注目である。
来月3日が30歳の誕生日の稀勢の里。“おしん横綱”と言われた先代の師匠・鳴門親方(元隆の里)が横綱に昇進したのは、30歳で迎えた名古屋場所だった。是非、師匠と同じく遅咲きの大輪の花を咲かせる瞬間が訪れることを願う。
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リオで舞え!全日本女子“火の鳥NIPPON”(6月29日)
「おそらく、世界のバレーボール関係者は日本がメダルなんて、誰も思っていないと思います。でも、五輪は何があるか分かりませんし、この目標を達成できるメンバーを今日12名選考したつもりです」記者会見で眞鍋政義監督が発したのは驚くほど鋭くストレートな言葉だった。
前回ロンドン五輪で28年ぶりのメダルを獲得した全日本女子バレー。そのリオで戦うメンバーが27日に発表された。Vリーグ女王の久光製薬からはエース長岡望悠、WS石井優希、リベロ座安琴希の3名が選出。...
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「おそらく、世界のバレーボール関係者は日本がメダルなんて、誰も思っていないと思います。でも、五輪は何があるか分かりませんし、この目標を達成できるメンバーを今日12名選考したつもりです」記者会見で眞鍋政義監督が発したのは驚くほど鋭くストレートな言葉だった。
前回ロンドン五輪で28年ぶりのメダルを獲得した全日本女子バレー。そのリオで戦うメンバーが27日に発表された。Vリーグ女王の久光製薬からはエース長岡望悠、WS石井優希、リベロ座安琴希の3名が選出。キャプテンを務める木村沙織は全日本女子初となる4大会連続の五輪出場だ。最年長選手は31歳の荒木絵里香。ロンドンでの大友愛に続くママさん選手の出場となる。最年少は21歳で初出場の宮下遥。長年全日本で活躍してきた竹下佳江の引退後、正セッターとしてチームをまとめてきた実績が評価された。一方で世界最終予選メンバーだった20歳の古賀紗理那は落選。2020東京に向けて、五輪を経験させるのではという憶測もあったが、記者の質問に眞鍋監督は「古賀のために五輪を戦う訳でもありません」とピシャリ。さらに昨年5月、海外遠征の試合中に負ったアキレス腱断裂から復活し、この6月のワールドグランプリで再び全日本に選出されていた江畑幸子もメンバーには残れなかった。まだ若い古賀も、五輪経験者の江畑にしても直近の国際試合では必ずしもベストなパフォーマンスを発揮出来ていなかったのは事実。「リオでは銅メダル以上の成績を獲得するのが最大の目標」という決意を語る監督の非情な判断だった。絶対的エースは不在。平均身長も参加チーム中最も低い全日本。冒頭の言葉も冷静な自己分析での本音であろう。果たして“火の鳥ニッポン“はリオで空高く舞い上がる姿を見せられるだろうか?
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Jリーグ第1ステージ終幕・若きDFの闘い(6月28日)
今季も2シーズン制で行われているJリーグ。25日に各地で第1ステージ最終節が行われた。
首位の鹿島アントラーズと、2位の川崎フロンターレの試合は同時刻開催。ともにホームゲームだが、アントラーズは勝てば文句なしの優勝。フロンターレはアントラーズが引き分けか敗れた場合に勝利すれば、逆転優勝の可能性があった。累積警告でMFカイオとDF昌子源を欠くアントラーズだが、カシマサッカースタジアムに詰めかけた3万人のサポーターの大声援を受け、前半から相手ゴールに攻めかかり2得点を挙げる。...
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今季も2シーズン制で行われているJリーグ。25日に各地で第1ステージ最終節が行われた。
首位の鹿島アントラーズと、2位の川崎フロンターレの試合は同時刻開催。ともにホームゲームだが、アントラーズは勝てば文句なしの優勝。フロンターレはアントラーズが引き分けか敗れた場合に勝利すれば、逆転優勝の可能性があった。累積警告でMFカイオとDF昌子源を欠くアントラーズだが、カシマサッカースタジアムに詰めかけた3万人のサポーターの大声援を受け、前半から相手ゴールに攻めかかり2得点を挙げる。そのままリーグ最少失点を誇る鉄壁の守りで逃げ切り2-0と完勝。終盤を6連勝で締めくくり、見事ステージ優勝を決めた。
これまでにJリーグ、天皇杯、ナビスコ杯の主要三大タイトルを17度手中に収めているアントラーズ。ユニフォームの左胸のエンブレムと袖にはタイトル数を表す星が17個あしらわれている。今回はあくまでもステージ優勝のため、そこに星は加わらないが、J1でのタイトルは7年ぶりだ。2000年には3大タイトルを完全制覇し、07年から09年にかけてはJ初の3連覇を達成。だが、10年代に入ってからは未だリーグを制していない。これで2016シーズンのJリーグチャンピオンシップ出場が決定した。記念撮影で中央に陣取って高々とトロフィーを掲げたのはDFの植田直通だった。熊本県宇土市出身。大地震による故郷の被災に心を痛め、復興への願いとともに戦い続けた。栄冠の余韻に浸る間もなく、来週からは第2ステージが開幕。そして、植田にはリオでの戦いが待ち受ける。優勝翌日26日にはU-23の松本での合宿に合流。「気を抜くことは許されないし、ベストを尽くすのが自分」22歳、植田の戦いはここからが正念場である。期待したい。
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最速の頂きに挑むスプリンターたちへのエール(6月26日)
リオ五輪代表選考会を兼ねた陸上日本選手権。今年100回目を迎える記念大会は3日間にわたって熱い戦いが繰り広げられた。とりわけ大きな注目が集まったのが25日の100m走。細かい雨の降りしきる瑞穂公園の競技場の気温は21度。ほぼ無風状態のなか、男女の決勝レースが行われた。女子は福島千里が11秒45で優勝し、リオへの切符を獲得。日本選手権7連覇で、女王の貫録を示した。3大会連続の五輪出場は日本の女子短距離選手では初の快挙だ。...
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リオ五輪代表選考会を兼ねた陸上日本選手権。今年100回目を迎える記念大会は3日間にわたって熱い戦いが繰り広げられた。とりわけ大きな注目が集まったのが25日の100m走。細かい雨の降りしきる瑞穂公園の競技場の気温は21度。ほぼ無風状態のなか、男女の決勝レースが行われた。女子は福島千里が11秒45で優勝し、リオへの切符を獲得。日本選手権7連覇で、女王の貫録を示した。3大会連続の五輪出場は日本の女子短距離選手では初の快挙だ。
一方、激しいデッドヒートが繰り広げられた男子。前日の準決勝では今年激しく競り合っている山縣亮太と桐生祥秀が同組で激突。直接対決は100分の3秒差で山縣に軍配が上がった(10秒26)。そして迎えた決勝。日本人初の9秒台を狙う闘いを制したのは、山縣でも桐生でもなく準決勝1位通過のケンブリッジ飛鳥。100分の1秒差で山縣をかわし、リオ五輪代表に内定した(10秒16)。桐生は3位に終わったものの、すでに11日の日本学生個人選手権で派遣設定記録(10秒01)を記録しているため、規定をクリアしての代表内定となった。ケンブリッジ、桐生ともに初の五輪出場だ。
大会初日にはハンマー投げの室伏広治が2年間のブランクから出場。5度目の五輪出場に挑んだが、残念ながら予選落ちに終わった。「五輪や高みを目指すということは体力の限界。一つの区切りだと思います」と現役引退を示唆した。日本選手権で初優勝から前人未到の20連覇。オリンピックでは投擲種目でアジア初となる金メダルを獲得した鉄人・室伏。「アスリートというのは壁を乗り越えるところに魅力を感じるものだと思う」世界の高い壁に挑む日本陸上。彼が最後に放ったエールは福島、ケンブリッジ、そして桐生の胸に、力強く届いたことだろう。
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五輪復帰に向けて・ソフトボール人気の普及は(6月25日)
2020東京オリンピックでの復活を目指すソフトボール。その国際親善試合、日米対抗が23日から3日間の日程で開幕した。第1戦・東京ドームはソフトボール日本代表の試合開催は初めて。北京五輪金のナインも選出されている日本代表。先月、肉離れでリーグ戦を離脱したエースの上野由岐子は欠場したものの、ドームには3万1400人超の大観衆が集まった。第1戦は藤田倭(やまと)が好投し、5-1で快勝。2戦目からは舞台を仙台に移して行われる。...
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2020東京オリンピックでの復活を目指すソフトボール。その国際親善試合、日米対抗が23日から3日間の日程で開幕した。第1戦・東京ドームはソフトボール日本代表の試合開催は初めて。北京五輪金のナインも選出されている日本代表。先月、肉離れでリーグ戦を離脱したエースの上野由岐子は欠場したものの、ドームには3万1400人超の大観衆が集まった。第1戦は藤田倭(やまと)が好投し、5-1で快勝。2戦目からは舞台を仙台に移して行われる。仮に2020東京で正式種目になった場合は、仙台をはじめ東日本大震災の被災地でのソフトボール競技の開催も実現するかもしれない。
ご存じのとおり、ソフトボールはオリンピックでの競技種目復帰に向けて、野球と「一つの競技」として働きかけを行っている。オリンピック憲章では、男性だけでなく女性競技者によってその競技が広く行われていることを、競技の資格に認定している。そのため、2013年に両競技の連盟が「世界野球ソフトボール連盟」として発足し、「男子野球」と「女子ソフトボール」を一括して五輪種目に提案したものだ。
日本国内では「野球は男子」「ソフトボールは女子」というのは一般的な認識かもしれない。しかし、実はソフトボールについては日本国内の競技者は男子のほうが多いのである。チーム比率も男女比は6:4で、特に九州・四国はソフトが盛んだ。先日のプロ野球交流戦で初マスクを被ったファイターズの大嶋匠もソフト出身である。一方、女子の野球は6年前にプロリーグが誕生している。今年はワールドカップが開かれるが、これまで日本が4連覇中と世界最強だ。男子ソフト、女子野球にも関心が高まり、人気が出れば、それは競技全体の普及拡大につながる。五輪に向けて、こちらにも注目して欲しい。
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