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オリンピックに挑む「女性アスリート」たち(7月6日)
南米大陸初の五輪・リオデジャネイロオリンピック開幕まで残り1か月となった。まだ出場国が確定していない競技もあるが、ブラジル国内での聖火リレーも終盤に入り、いよいよオリンピックムードは最高潮に達しつつある。
日本国内でも3日、代表選手・関係者ら約300人が代々木体育館に集まり、リオ五輪日本選手団結団式が行われた。旗手を務めるのは身長196cmの陸上十種競技・右代啓祐。そして前回のロンドン五輪では旗手を務めていたレスリングの吉田沙保里が、女性として初めて日本選手団の主将に抜擢された。...
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南米大陸初の五輪・リオデジャネイロオリンピック開幕まで残り1か月となった。まだ出場国が確定していない競技もあるが、ブラジル国内での聖火リレーも終盤に入り、いよいよオリンピックムードは最高潮に達しつつある。
日本国内でも3日、代表選手・関係者ら約300人が代々木体育館に集まり、リオ五輪日本選手団結団式が行われた。旗手を務めるのは身長196cmの陸上十種競技・右代啓祐。そして前回のロンドン五輪では旗手を務めていたレスリングの吉田沙保里が、女性として初めて日本選手団の主将に抜擢された。吉田は詰めかけた1万人の観衆を前に「記録も記憶にも残る最高のオリンピックになるよう精魂を傾け、大会に臨む事を誓います」と力強く決意表明。女性アスリートとしては五輪史上初となる4大会連覇の大偉業に挑む。実は、日本選手団の主将となった選手は5代続けて金メダルを逃しているという有難くないジンクスがある。選手団の旗手や主将というのは、長時間拘束される開会式など、出席しなければいけないイベントも多く、競技に集中するのが難しいとも言われている。だが、彼女ならそんな重責も振り払い、見事栄冠を手にしてくれるに違いない。
日本選手団はアテネ五輪で初めて女子選手が男子選手の人数を上回り、それ以降北京・ロンドンでも同じ状態が続いている。今大会は史上最大規模の派遣になる見込みだが、バレーボールの荒木絵里香や、7人制ラグビーの兼松由香ら過去最多5名の「ママさんアスリート」が参加するのも特色だ。
男女平等はオリンピックの理念。前回ロンドンでは、五輪史上初めてIOC加盟の全ての国と地域から女子選手が参加する記念すべき大会となった。リオでも女性たちの活躍に注目したい。
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22歳を迎えた若武者が魅せる「野球のロマン」(7月5日)
プロ野球・パシフィックリーグのホークスvsファイターズの三連戦。ファイターズの二連勝で迎えた第三戦。試合開始からわずか5秒後、ホークス先発の中田賢一が投じた初球はものの見事に打ち返され、ホークスファンがひしめくライトスタンドに突き刺さった。栗山英樹監督がスターティングオーダーで「1番」に据えたその打者は、何と先発投手・大谷翔平であった。
大谷はゆっくりとグラウンドを一周し、先制のホームを踏んだ。...
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プロ野球・パシフィックリーグのホークスvsファイターズの三連戦。ファイターズの二連勝で迎えた第三戦。試合開始からわずか5秒後、ホークス先発の中田賢一が投じた初球はものの見事に打ち返され、ホークスファンがひしめくライトスタンドに突き刺さった。栗山英樹監督がスターティングオーダーで「1番」に据えたその打者は、何と先発投手・大谷翔平であった。
大谷はゆっくりとグラウンドを一周し、先制のホームを踏んだ。「なるべく立ち上がりに疲れない様にゆっくり回った」という二刀流エースは、ピッチングでも首位ホークスの強力打線を翻弄。最速160kmで8回を投げ、二桁の10奪三振で無失点の剛腕っぷりを見せた。これで30イニング連続無失点で自身7連勝。チームも9年ぶりの10連勝で、2位浮上を果たした。
野球において先頭打者の果たす役割というものは大きい。一つには相手チームの先発投手のピッチングを見極め、多くの情報を味方打線にもたらすこと。そして、積極的なバッティングで敵の出鼻をくじき、チームに勢いをつけることである。そのためには高い出塁率が求められ、四球を選ぶ選球眼の良さも欠かせない。出塁して投手の肩が冷えることを考えれば、ここにピッチャーを充てるというのは本来有り得ない選択。指名打者制のパリーグはもちろん、セリーグでも45年前に一度あっただけの起用法だ。それが決勝点となる先制弾に加え、3四球を選び2得点を挙げる大活躍。そんな夢のようなプレーを見せてくれているのが7月5日に22歳の誕生日を迎える若武者なのである。先頭打者HRの際には「監督の立場を離れて思わず興奮してしまった」と栗山監督を唸らす程の衝撃。一体これからどれ程の“野球のロマン“を見せてくれる事だろうか。期待に震えてしまう。
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初のオリンピックに挑む二つの“セブンズ”(7月3日)
リオ五輪から正式種目に採用される7人制ラグビー。通常の15人で行うラグビーと基本的にルールは同じだが、試合時間などは大きく異なる。15人制は前半40分・後半40分の計80分なのに対し、7人制は前半後半とも7分で合計15分と極めて短い。詳しい特徴や歴史についてはまたの機会に触れたいと思うが、この7人制ラグビーで日本は男女そろってリオへの出場権を獲得している。いよいよ29日にリオ五輪日本代表の最終候補メンバーが発表された。...
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リオ五輪から正式種目に採用される7人制ラグビー。通常の15人で行うラグビーと基本的にルールは同じだが、試合時間などは大きく異なる。15人制は前半40分・後半40分の計80分なのに対し、7人制は前半後半とも7分で合計15分と極めて短い。詳しい特徴や歴史についてはまたの機会に触れたいと思うが、この7人制ラグビーで日本は男女そろってリオへの出場権を獲得している。いよいよ29日にリオ五輪日本代表の最終候補メンバーが発表された。
まずは女子代表。愛称は「サクラセブンズ」。陸上やバスケなどからの転向組や、ママさん選手もいる個性派集団の13名だ。男の世界というイメージの強いラグビーだが、昨年はこのサクラセブンズが紅白歌合戦にゲスト出演するなど、注目度・認知度ともに高まってきた。主将の中村知春は「リオの舞台で台風の目となれるよう、金メダルを目指して頑張りたい」と強い意気込みを語っていた。
男子「セブンズジャパン」は14名。昨年の15人制W杯代表で活躍を見せた山田章仁、福岡堅樹、藤田慶和らもメンバーに選ばれた。3人はともにトップリーグ3連覇中のパナソニックワイルドナイツ所属。さらに山田は現在開催中のスーパーラグビーでも、サンウルブズのウイングとしてリーグ戦を戦っている。15人制と7人制、国内リーグと国際リーグ。まさに“四足のわらじ”といった奮戦ぶりだ。サンウルブズは2日に行われた秩父宮でのワラタス(豪)との試合で12-57と完敗し、残念ながらホーム最終戦を飾ることはできなかったが、山田はここまで9トライを挙げ、気を吐いている。現在、国内で直前合宿を行っている代表候補は、今月中旬までに最終メンバー12人に絞り込まれる。男女ともにリオでの活躍に期待したい。
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帰ってきたU-23のエース・リオへ羽ばたく(7月2日)
「日本のサッカーの将来の可能性を伸ばすための責任と覚悟をもって五輪に臨んでほしい(U-23サッカー日本代表・手倉森誠監督)」リオデジャネイロオリンピックに出場するサッカー男子の日本代表メンバー18人が決まった。手倉森監督が“将来の可能性”を託した精鋭たち。アジア最終予選のAFC・U-23選手権で優勝を果たしたメンバーから15人を厳選し、オーバーエイジ枠ではJリーグで活躍する3名(塩谷司、藤春廣輝、興梠慎三)を補強した陣容だ。...
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「日本のサッカーの将来の可能性を伸ばすための責任と覚悟をもって五輪に臨んでほしい(U-23サッカー日本代表・手倉森誠監督)」リオデジャネイロオリンピックに出場するサッカー男子の日本代表メンバー18人が決まった。手倉森監督が“将来の可能性”を託した精鋭たち。アジア最終予選のAFC・U-23選手権で優勝を果たしたメンバーから15人を厳選し、オーバーエイジ枠ではJリーグで活躍する3名(塩谷司、藤春廣輝、興梠慎三)を補強した陣容だ。そのなかでも注目したい選手がFC東京の中島翔哉である。
29日に南アフリカと国内最後の強化試合を行ったU-23代表。PKで先制を許したものの、中島翔哉、浅野拓磨らのゴールで4-1と快勝。同じリオ五輪に出場するチームから勝ち星を得たことは、大きな自信になったことだろう。最終メンバー選考のかかったこの試合で、中島は2ゴールをマーク。以前から「目標はバロンドール(世界最優秀選手)」などビッグマウスでも知られるが、この日は「自分にとってもすごく大事な試合だったので、それに勝ててよかったです」と安堵した表情が印象的だった。手倉森ジャパンでは最多の18ゴール。エースとして大きな期待がかかる中、4月に練習で右膝靭帯を損傷するアクシデントに遭い、リオ行きに黄色信号が灯っていた。U-23復帰戦となったこの南アフリカ戦で、しっかり結果を出し、代表メンバー入りを果たしたのは立派の一語。「すごく嬉しいですし、責任もすごく感じます。どんな状況でも一番輝ける選手になりたいと思います」48年ぶりの五輪メダル獲得を目指す手倉森ジャパン。この164センチの小さなMFから、誰よりも強い責任感と何物にも屈しない毅然とした覚悟を感じた。羽ばたけ中島翔哉!
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スポーツと社会への影響・アスリートらの責任(7月1日)
東京・白金台の八芳園。ここで28日、日本スポーツ界を代表する選手や指導者たちが一堂に会した。毎年、世界的規模のスポーツ競技会で優秀な成績を収めた選手及び、その指導者・団体らを表彰する「スポーツ功労者顕彰」である。今年度は331名の選手と132名の指導者らに、馳文部科学大臣から表彰と顕彰が贈られた。
体操、水泳、柔道、スキー、スケート、レスリング…。会場に顔をそろえた昨年度、国際大会で好成績を収めた各競技の選手やその指導者たち。...
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東京・白金台の八芳園。ここで28日、日本スポーツ界を代表する選手や指導者たちが一堂に会した。毎年、世界的規模のスポーツ競技会で優秀な成績を収めた選手及び、その指導者・団体らを表彰する「スポーツ功労者顕彰」である。今年度は331名の選手と132名の指導者らに、馳文部科学大臣から表彰と顕彰が贈られた。
体操、水泳、柔道、スキー、スケート、レスリング…。会場に顔をそろえた昨年度、国際大会で好成績を収めた各競技の選手やその指導者たち。レスリング女子58キロ級の伊調馨や卓球女子代表の伊藤美誠、フィギュアの本田真凜など230人が出席し、昨年末に現役を引退した女子サッカーの澤穂希が代表して挨拶を行った。
今回会場に姿を見せたのはアスリートだけではない。今年度からは、国際大会などで活躍した審判員にも顕彰が行われたのだ。式の冒頭で、馳文科大臣は「選手や指導者の皆さんにも、審判の役割の意義の大きさというのをご理解いただき、審判に対する敬意を身に着け、マナーも徹底していただきたい」と訓示を述べた。
今年に入ってスポーツ界では、バドミントンのカジノ賭博問題やプロ野球での覚醒剤事件といった不祥事が相次ぎ世間を揺るがした。スノーボードでも選手による大麻使用への処分があった。アスリートにとってルールを順守し、フェアプレー精神で接することは最も重要なこと。感情のままに審判のジャッジなどへの不満や怒りをぶちまけたり、違反行為を平気で犯すことは、その競技自体を汚す行為でもある。規範を守り互いに競い合うスポーツというものは、社会の構造の縮図といえる。競技者はただ試合に勝利するだけでなく、“スポーツを通じて社会を支えていく立場”にある者たちなのだ。そのことの意味を改めて考えさせられた。
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