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復活した最強軍団・リーグ史に残る大逆転劇!(12月5日)
2016Jリーグチャンピオンシップ決勝は、まさかのフィナーレで幕を閉じた。第2戦、浦和レッズ(年間1位)vs鹿島アントラーズ(年間3位)。ホームの第1戦を0-1で落としたアントラーズは、2点差以上の勝利でなければ優勝できない厳しい条件。圧倒的なアウェイの埼玉スタジアムで、前半7分にレッズ・興梠が先制ゴールを決めた瞬間は、浦和の10年ぶりリーグ王者を確信したサポーターも多かっただろう。それが前半40分台に金崎がヘディングで同点弾を決めると、80分台突入間近にレッズが痛恨のPKを献上。...
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2016Jリーグチャンピオンシップ決勝は、まさかのフィナーレで幕を閉じた。第2戦、浦和レッズ(年間1位)vs鹿島アントラーズ(年間3位)。ホームの第1戦を0-1で落としたアントラーズは、2点差以上の勝利でなければ優勝できない厳しい条件。圧倒的なアウェイの埼玉スタジアムで、前半7分にレッズ・興梠が先制ゴールを決めた瞬間は、浦和の10年ぶりリーグ王者を確信したサポーターも多かっただろう。それが前半40分台に金崎がヘディングで同点弾を決めると、80分台突入間近にレッズが痛恨のPKを献上。鹿島が勝ち越しを決める。終盤レッズは懸命にパワープレイを仕掛けるがゴールを割ることはできなかった。2戦合計のアウェーゴールの差で7年ぶり8度目の優勝を飾った鹿島アントラーズ。年間3位からリーグ王者になったのはJリーグ史上初めてのケース。さらに、過去10度のCSで1戦目を落としたチームが逆転優勝をしたのも初だ。敗れたレッズには悪夢としか言いようのない残酷な結末に。年間1位となり、勝ち点でアントラーズを16点も引き離しながら、“下剋上”を許してしまった。2シーズン制最終年の運命の悪戯だった。
翌4日にはJ1昇格最後の椅子をめぐって争われたプレーオフで、セレッソ大阪がファジアーノ岡山をくだして3年ぶりの復帰を決めた。J2-J3入れ替え戦は、ツエーゲン金沢がJ3の栃木SCに連勝してJ2残留となった。これで2016年シーズンの全日程を終了したJリーグ。J1を制したアントラーズは、8日に開幕するFIFAクラブワールドカップジャパン2016に、開催国王者として日本から唯一出場が決定した。さらにベスト8まで勝ち進んでいる天皇杯の戦いも控えている。復活した赤き常勝軍団の今年の戦いはまだ終わらないようだ。
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白熱ストーブリーグ・各球団新戦力の獲得は?(12月3日)
大物選手の去就が注目される今年のプロ野球ストーブリーグ。FA宣言を行った6名中5名までが残留・移籍を決定し、残るはバファローズとイーグルスが獲得競争を繰り広げる陽岱鋼のみとなった。29日に行われたゴールデングラブ賞の表彰式に出席した陽は「12月の半ばまでには決めたい」と目途を語っている。
今季ゴールデングラブとベストナインの二冠、そして史上最年長の盗塁王を決めた糸井嘉男はタイガースと4年総額18億円(推定)で契約。...
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大物選手の去就が注目される今年のプロ野球ストーブリーグ。FA宣言を行った6名中5名までが残留・移籍を決定し、残るはバファローズとイーグルスが獲得競争を繰り広げる陽岱鋼のみとなった。29日に行われたゴールデングラブ賞の表彰式に出席した陽は「12月の半ばまでには決めたい」と目途を語っている。
今季ゴールデングラブとベストナインの二冠、そして史上最年長の盗塁王を決めた糸井嘉男はタイガースと4年総額18億円(推定)で契約。35歳の選手に対し、かなり破格な条件ではあるが、打率リーグ4位のバッティングに加え、全試合出場を果たした強靭なフィジカルには、金本監督も大きな信頼と期待を寄せている。
貴重な投手力を獲得したのはジャイアンツだ。1日、ベイスターズでチーム最多の11勝を挙げた山口俊が入団する意向を表明した。ジャイアンツ投手陣は、今季の二桁勝利が田口麗斗のみ(10勝10敗)。これは戦後では最下位となった75年以来のワースト記録だった。やりくりに苦労していた先発陣にとって大きな補強となるだろう。また、2日には左のサイドスロー・森福允彦の獲得も明らかになった。森福はプロ入り後5回も年間50試合以上に登板し、ホークスの二連覇にも貢献した鉄腕セットアッパーだ。今季41Hのマシソンとの来季の契約延長も合意し、投手陣に終盤の厚みが増した。山口と森福は揃って5日に入団会見を行う予定だ。
リーグ最多失点と、投手陣の台所事情が苦しかったイーグルスには、通算103勝の岸孝之の加入が決まった。背番号も慣れ親しんだ「11」を譲り受けるという。生まれも育ちも仙台の“みちのくエース”の獲得で、鷲軍団は4年ぶりの優勝を目指すことになる。果たしてそれぞれの新戦力は来季どんな活躍を見せるだろうか?
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レガシーコストと産業としてのスポーツ(後編)(12月2日)
東京都にある屋内競技施設は代々木体育館など前回五輪時に建設されたもので、いずれも収容能力は10,000席強しかない。問題になっている有明アリーナの観客席は15,000。最大36,500人収容のさいたまスーパーアリーナ、17,000席の横浜アリーナに比べても、東京の経済規模からは必ずしも大き過ぎる箱物とは言えないと感じる。だが、問題はその維持管理のコストだ。
組織委員会やスポーツ庁では、アリーナ建設に際して民間資金やノウハウを活用するPFI(プライベイト・ファイナンス・イニシアティブ)と呼ばれる手法を提言している。...
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東京都にある屋内競技施設は代々木体育館など前回五輪時に建設されたもので、いずれも収容能力は10,000席強しかない。問題になっている有明アリーナの観客席は15,000。最大36,500人収容のさいたまスーパーアリーナ、17,000席の横浜アリーナに比べても、東京の経済規模からは必ずしも大き過ぎる箱物とは言えないと感じる。だが、問題はその維持管理のコストだ。
組織委員会やスポーツ庁では、アリーナ建設に際して民間資金やノウハウを活用するPFI(プライベイト・ファイナンス・イニシアティブ)と呼ばれる手法を提言している。大会組織委員会の武藤敏郎事務総長は30日の会見で、東京都側も民間資金の活用計画の検討を始めたことを明らかにした。この案がうまくまとまれば有明アリーナの運営コスト縮減にもつながる可能性がある。
一方で、五輪後の収益についてだが、東京五輪の大きな目的であるインバウンド需要の取り込みを逃してはなるまい。スポーツ観光収入は、まだ訪日観光客全体の8%程度に留まっている。世界各国で成長産業として急速に拡大しつつあるスポーツ産業。日本のスポーツ市場は1995年当時までは欧米との大きな差はなかった。それが現在では野球では4倍弱(MLBとNPB)、サッカーでは5倍(プレミアリーグとJリーグ)もの格差がついてしまった。たとえ立派な大型施設を建設しても、海外顧客の獲得が不首尾に終われば、収益予測は絵に描いた餅になってしまうだろう。
18年前冬季五輪を開催した長野市は先月、ボブスレー・リュージュパークの存廃の検討を始めた。年間2億円以上の運営・改修費が市の財政を圧迫しているという。レガシーを負の財産にしてしまうか否か。五輪を一過性のイベントに終わらせない地域活性化と、スポーツ文化発展の明確なビジョン作りがいま求められている。
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レガシーコストと産業としてのスポーツ(前編)(12月1日)
「あとしばらく時間をいただきたい。時間は迫っているのでクリスマスまでには方向性を出したい」連日メディアを賑わせている五輪3会場(海の森水上競技場、オリンピックアクアティクスセンター、有明アリーナ)の見直し問題。このうちバレーボール会場について、東京都の小池知事は結論を先送りにする方針を示した。
水泳会場は「アクアティクスセンター」を、座席数を縮小して新設する見込み。ボートとカヌーは宮城・長沼ボート場案を断念し、「海の森水上競技場」の常設案と仮設案で検討するとした。...
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「あとしばらく時間をいただきたい。時間は迫っているのでクリスマスまでには方向性を出したい」連日メディアを賑わせている五輪3会場(海の森水上競技場、オリンピックアクアティクスセンター、有明アリーナ)の見直し問題。このうちバレーボール会場について、東京都の小池知事は結論を先送りにする方針を示した。
水泳会場は「アクアティクスセンター」を、座席数を縮小して新設する見込み。ボートとカヌーは宮城・長沼ボート場案を断念し、「海の森水上競技場」の常設案と仮設案で検討するとした。その一方で、「有明アリーナ」を新設するかどうかは、横浜アリーナを改修して利用する案との比較検討を、さらに継続するということである。
現行計画では建設費用400億円超ともいわれる有明アリーナ。ちなみに建設予定地は移転問題で揺れるあの豊洲新市場のすぐ近くだ。都側が指摘している問題点として建設後の維持管理費“レガシーコスト”がある。都の調査チームでは65年間で計約294億円かかるとの試算を公表した。国内人口減少が進行する中で、スポーツ興業で多くの観客を動員し、収益を上げることが可能なのかという声もある。そこで、改めて有明アリーナがどれ程の規模なのか、そして収益性の観点から少し考えてみたいと思う。
有明アリーナは最大約15,000席の座席数を備える予定の大型屋内競技施設だ。実は現在の屋内スポーツの大型アリーナとしては、ごく平均的な“世界水準”規模だと言える。2014年の世界バレー男子大会が開催されたポーランドのメイン会場「クラクフ・アリーナ」は、2万人を超える満員の大観衆の中で決勝戦が行われた。しかし、このような2万人収容クラスの大型室内施設は、東京都内内には野球の東京ドーム球場を除き存在していない。(この項続く)
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今季最も輝いた男たち・異例記録の初タイトル(11月30日)
NPB AWARDS2016が28日、都内で開催され、今シーズン活躍した選手らの表彰式が行われた。両リーグの最優秀選手(MVP)はセ・パともに優勝球団から選出されたが、かたやプロ生活18年目の新井貴浩(39)と4年目の若武者・大谷翔平(22)という、年の差17歳の対照的な二人の受賞となった。
「本当にまさか自分が、という思いです。ありがとうございます」初受賞となった新井貴浩はセリーグ史上最年長でのタイトルだ。...
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NPB AWARDS2016が28日、都内で開催され、今シーズン活躍した選手らの表彰式が行われた。両リーグの最優秀選手(MVP)はセ・パともに優勝球団から選出されたが、かたやプロ生活18年目の新井貴浩(39)と4年目の若武者・大谷翔平(22)という、年の差17歳の対照的な二人の受賞となった。
「本当にまさか自分が、という思いです。ありがとうございます」初受賞となった新井貴浩はセリーグ史上最年長でのタイトルだ。打率、安打数ではチームメイトの鈴木誠也や菊池涼介が勝るが、打点はチームトップの101打点。何と言っても今季の新井は得点圏でのバッティングが光った。タイガース時代には2度リーグ最多の併殺打数という不名誉な記録を喫し、勝負弱いという印象を持たれていた。それが今季は頼れる主砲として立派にチームを牽引していた。メジャーでは打撃の特に重要な指標とされるOPS(出塁率+長打率)が、キャリアハイに迫る.857というのもそれを表している。
パ・リーグは投手で10勝、打者で打率.322、本塁打22本のとてつもない記録を成し遂げた大谷翔平が、2位以下に大差の得票で、こちらも初の栄冠を手にした。規定投球回数も規定打席にも達していない選手がMVPになるのも初めてのことである。しかし、投球回数に関しては僅か3イニング不足しているだけであり、もしあと1試合投げていた場合、1.86の防御率が極端に落ちることは考えにくく、最優秀防御率のタイトルを獲得していた可能性が高い(今季の防御率1位は石川歩の2.16)。何よりこの数字が、最多勝との2冠を達成した昨季の2.24よりも高いのには恐れ入る。打線の援護があれば15勝近く勝てたかもしれない。
異例尽くし、初物尽くしのセ・パMVPだった。
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