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日本とアフリカ・陸上界で育まれてきた「絆」(12月28日)
冬の都大路を次世代のランナーたちが駆け抜けた。全国高等学校駅伝競走大会が25日行われ、男子が7区間42.195km、女子が5区間21.0975kmでタスキをつないだ。
各地区予選を勝ち上がってきた47校の精鋭たち。男子は優勝候補の一角・歴代最多9度の優勝を誇る世羅(広島)が1区で大きく出遅れ、佐久長聖(長野)がトップに立つ。3区に入ると倉敷(岡山)のジョエル・ムァゥラが猛追を仕掛け、佐久長聖が逃げる展開。...
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冬の都大路を次世代のランナーたちが駆け抜けた。全国高等学校駅伝競走大会が25日行われ、男子が7区間42.195km、女子が5区間21.0975kmでタスキをつないだ。
各地区予選を勝ち上がってきた47校の精鋭たち。男子は優勝候補の一角・歴代最多9度の優勝を誇る世羅(広島)が1区で大きく出遅れ、佐久長聖(長野)がトップに立つ。3区に入ると倉敷(岡山)のジョエル・ムァゥラが猛追を仕掛け、佐久長聖が逃げる展開。ついに倉敷4区の前田舜平がトップを奪うと、大きくリードを広げてゆく。そのまま倉敷がトップでゴールし、39回目の出場で初めての優勝を決めた。
一方、女子は一昨年の女王・大阪薫英女学院が圧巻の走りを見せた。2区で高松智美ムセンビが一気に9人のごぼう抜き。圧倒的な強さでチームを1位に押し上げると、薫英女学院はそのままゴールまでタスキをつなぎ切り、2年ぶり2回目の全国制覇を成し遂げた。高松智美ムセンビにとって、姉・望ムセンビと共に走った昨年の大会では果たせなかった悲願の優勝だ。
今回薫英女学院の優勝に貢献したこの148センチの小さな弾丸娘は、日本陸連が2020東京での活躍を見込む強化育成選手“ダイヤモンドアスリート”に認定されている。現在の日本陸上界は、ムセンビ姉妹をはじめ、短距離のサニブラウン・ハキームやエドバー・イヨバなど、多くのアフリカ系ハーフの若手有望選手が揃ってきた。また、リオ五輪男子1万メートルで銀メダルに輝いたポール・タヌイ(九電工所属)のように、日本に拠点を置いて競技に励むケニア選手も多い。いまや日本陸上界とアフリカは深い絆で結ばれている。東京五輪では、ハーフ選手も多く含めた日本勢とアフリカ勢が共に競い合い、ハイレベルなレースを展開する姿が見られることだろう。
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氷上で交錯する激情…涙の数だけ強く、美しく(12月27日)
リンクに光る涙の数々。歓喜、無念、達成感…様々な感情がとめどなく溢れ出す。フィギュア全日本選手権。フリーの演技後リンク上で泣き濡れた宇野昌磨は「今日までひたすら練習してきた成果が無駄じゃなかったっていう思いが自分にも証明できたかな」とその理由を明かした。
4連覇中の羽生結弦がインフルエンザで欠場のなか、大本命視されていた19歳の次世代エース。世界第3位に輝いたグランプリファイナル終了後、「一番の問題はショートが全然駄目。...
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リンクに光る涙の数々。歓喜、無念、達成感…様々な感情がとめどなく溢れ出す。フィギュア全日本選手権。フリーの演技後リンク上で泣き濡れた宇野昌磨は「今日までひたすら練習してきた成果が無駄じゃなかったっていう思いが自分にも証明できたかな」とその理由を明かした。
4連覇中の羽生結弦がインフルエンザで欠場のなか、大本命視されていた19歳の次世代エース。世界第3位に輝いたグランプリファイナル終了後、「一番の問題はショートが全然駄目。ショートでノーミスしたい」と語っていたが、初優勝がかかった重圧からか、この全日本でもSPでミスが出てしまう。4回転フリップで着氷が乱れ、その後の4回転でも転倒してしまい2位に。そこからフリーで挽回しての逆転勝利だった。これまで2年連続の2位。込み上げてくる思いが抑えきれなかったのだろう。「ゆづ君(羽生)はこれ以上のプレッシャーを毎回受けて、あれだけの演技をして…本当に強いんだなということが改めてわかった」初めて立った頂点の座を噛みしめた宇野。2位の田中刑事と共に来年3月の世界選手権代表が決定した。
一方の女子は宮原知子が3連覇。2位以下に大差をつけての優勝だが、トゥループの回転不足のミスなどを悔やみ「総合的にもっと上手く、強くなりたい」と今後の抱負を述べた。女子の表彰台は10代が独占。2位は2年連続で樋口新葉。難病から今季復活した三原舞依が3位に続き、この3人が世界選手権を戦う。さらに本郷理華や同年代のライバルを抑えた本田真凜が4位に。フリーではインフルエンザでJr.GPファイナルを棄権した無念を晴らすようなノーミス演技でのフィニッシュ。その瞬間、15歳の少女は手で口を覆い歓喜の涙にくれた。例年にも増してドラマに満ちた全日本の戦いだった。
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日本一に輝いた女性たち・天皇杯&皇后杯決勝(12月26日)
各地でスポーツ競技の日本選手権が行われたこの週末。そのうち「天皇杯」「皇后杯」を冠した3つの大会で決勝が戦われた。天皇誕生日に最終日を迎えたのはレスリングの全日本選手権(レスリングは男女ともに「天皇杯」の名称)。女子ではリオ五輪金メダリストの土性沙羅が6連覇を達成。決勝までの3試合で失ポイントなしの圧勝で大学最後の試合を締めくくった。「気持ちはもう東京オリンピックに向かっている」と優勝インタビューでも気を引き締めていた。...
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各地でスポーツ競技の日本選手権が行われたこの週末。そのうち「天皇杯」「皇后杯」を冠した3つの大会で決勝が戦われた。天皇誕生日に最終日を迎えたのはレスリングの全日本選手権(レスリングは男女ともに「天皇杯」の名称)。女子ではリオ五輪金メダリストの土性沙羅が6連覇を達成。決勝までの3試合で失ポイントなしの圧勝で大学最後の試合を締めくくった。「気持ちはもう東京オリンピックに向かっている」と優勝インタビューでも気を引き締めていた。
25日の皇后杯全日本サッカー選手権決勝は昨年の覇者INAC神戸と、初優勝を狙うアルビレックス新潟レディースという昨年と同じ顔合わせ。両チームの決勝戦での対決は今回で4度目となる。0-0のまま延長戦に突入した試合は、アルビレックスがINACの猛攻を最後までしのぎ切り、決着はPK戦に委ねられた。INAC、アルビレックスともに1人目が外し、勝負は7人目までもつれたが、最後にこの日途中出場のINAC・増矢理花が落ち着いて決め、5-4。INACの2年連続6度目の優勝が決まった。キャプテンの髙瀨愛美は「結果につながって本当に良かった」と安堵の表情。ちょうど一年前、澤穂希の現役ラスト試合となったこの皇后杯決勝の場でしっかり結果を出して見せた。
サッカー皇后杯終了直後、大田区立体育館ではバレーボール女子の皇后杯決勝がスタート。現在Vリーグで首位争いを繰り広げる久光製薬スプリングスと日立リヴァーレの対決は、久光が一方的な試合展開でストレート勝ち。ブロックポイントは日立の0に対し、久光は実に12本。久光の誇る“高さ”が発揮された試合だった。中田久美監督の全日本監督就任に伴い、酒井監督が急遽チームを引き継いだ久光製薬は、これで皇后杯5連覇。黄金期はまだ暫く続きそうだ。
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二人の最強世界王者・長谷川穂積と内山高志(12月24日)
年末に多くの世界戦を控えているボクシング界。今年、大きな決断を下した二人の最強世界王者がいる。00年代バンタム級で最強の名をほしいままにした長谷川穂積。一時代を築いたこの名チャンピオンは今月9日、現役引退を表明した。9月には35歳9カ月でWBC世界スーパーバンタム級王座を奪取したばかりだが(国内最年長記録)、この試合を最後にリングを去る。
引退表明の翌日、長谷川は須磨区の青少年フォーラムで講演し「夢だけでは実現しない。...
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年末に多くの世界戦を控えているボクシング界。今年、大きな決断を下した二人の最強世界王者がいる。00年代バンタム級で最強の名をほしいままにした長谷川穂積。一時代を築いたこの名チャンピオンは今月9日、現役引退を表明した。9月には35歳9カ月でWBC世界スーパーバンタム級王座を奪取したばかりだが(国内最年長記録)、この試合を最後にリングを去る。
引退表明の翌日、長谷川は須磨区の青少年フォーラムで講演し「夢だけでは実現しない。夢が目標に変わり、目標に向かって何かし始めることが大切」と若者にメッセージを送った。22日には市民に感動と勇気を与えたとして、神戸市から「スポーツ特別賞」の表彰を受けている。巧みな試合運びと華麗なアウトボクシングで、圧倒的な強さを誇ったバンタム級時代。そしてWBO王者モンティエルとの“統一戦”で壮絶なKO負けをしてからは、けがに苦しみながらもフェザー、スーパーバンタム級の王者になった。日本人歴代4位10回の防衛と、3階級制覇の輝かしい記録は決して色褪せることはない。
その長谷川より1歳年上の無敗の世界王者も、今年遂に王座から陥落した。日本歴代2位の11度の防衛を記録していた内山高志は、今年4月にまさかの2回KO負け。その後沈黙を守り、去就が注目されていたが、10月に現役続行を宣言。12月31日、これまで何度も豪快な“KOダイナマイト“を炸裂させていた大晦日のリングに再び戻ってくる。内山を破った王者・コラレスとの再戦で、王座返り咲きを狙う。内山も長谷川のように最強王者の”第二章“の歴史を作ることが出来るだろうか?是非期待したい。
【お詫びと訂正】23日の記事で誤字がありました。お詫びのうえ訂正いたします。
(誤)1リーグ制 (正)1シーズン制
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熱き“Jの戦い”・25年目のシーズンに向けて(12月23日)
20日、横浜アリーナで2016Jリーグアウォーズが行われた。毎年恒例の年度表彰式には2日前にクラブW杯で激闘を繰り広げたばかりの鹿島アントラーズのイレブンも顔を揃えた。鹿島は7年ぶり8度目の優勝。銀のJリーグ杯を手に挨拶したキャプテン・小笠原満男は、「今シーズン一年間を通して安定した戦いを見せて勝ち点を積み重ねたのは浦和レッズだと思います」と年間勝ち点1位の強敵に敬意を表した。
ベストイレブンはGKの西川周作をはじめ、浦和勢から最多の4人が選出された。...
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20日、横浜アリーナで2016Jリーグアウォーズが行われた。毎年恒例の年度表彰式には2日前にクラブW杯で激闘を繰り広げたばかりの鹿島アントラーズのイレブンも顔を揃えた。鹿島は7年ぶり8度目の優勝。銀のJリーグ杯を手に挨拶したキャプテン・小笠原満男は、「今シーズン一年間を通して安定した戦いを見せて勝ち点を積み重ねたのは浦和レッズだと思います」と年間勝ち点1位の強敵に敬意を表した。
ベストイレブンはGKの西川周作をはじめ、浦和勢から最多の4人が選出された。Jリーグ表彰は選手・監督の投票から選ばれる。最後の最後で賜杯を逃しはしたものの、今シーズンJのピッチで一番光り輝いていたのは、レッズの選手だったと皆が認めている証だろう。一方、最優秀選手賞には川崎フロンターレのMF・中村憲剛が初選出された。リーグ戦を通じて9得点11アシスト。最終節までレッズと年間1位を争ったフロンターレ躍進のキープレイヤーだった。36歳でのMVPは史上最年長の受賞である。23年前、自身が中学生時に見たという、第1回MVPの三浦知良の名前を挙げ、「そこに肩を並べられた。選手としてこれ以上光栄なことはない」と喜びを噛み締めていた。
Jリーグは来季から再び1シーズン制となり、チャンピオンシップの廃止も正式決定した。ホーム&アウェイの2回戦総当たりでの年間1位を争うシンプルなスタイルに戻る。今年J1では前年を上回る観客動員数を記録した。アスルクラロ沼津のJ3加入も決まり、来季は全54クラブになる。CSの実施により、多くの観客が詰めかけたのも紛れもない事実で、新たな集客策も必要かもしれない。クラブW杯での躍進でJリーグに魅力を感じたサッカーファンが、スタジアムに足を運んでくれることを願いたい。
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