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新春を駆け抜ける日本発祥の“EKIDEN“(1月4日)
複数のランナーが長距離を襷で繋ぐ「駅伝競走」は日本生まれの陸上競技だ。そのなかでも1月1日の全日本実業団駅伝(通称:ニューイヤー駅伝)と、2~3日にかけて行われる東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は、新年の風物詩として全国のお茶の間に定着している。
からっ風の吹きすさぶ上州路7区間・全長100kmを駆け抜けるニューイヤー駅伝。高低差860mもの“天下の険“を越える箱根駅伝。ともにドラマティックな展開とスリリングな順位争いが大衆を惹きつける大きな魅力であろう。...
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複数のランナーが長距離を襷で繋ぐ「駅伝競走」は日本生まれの陸上競技だ。そのなかでも1月1日の全日本実業団駅伝(通称:ニューイヤー駅伝)と、2~3日にかけて行われる東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は、新年の風物詩として全国のお茶の間に定着している。
からっ風の吹きすさぶ上州路7区間・全長100kmを駆け抜けるニューイヤー駅伝。高低差860mもの“天下の険“を越える箱根駅伝。ともにドラマティックな展開とスリリングな順位争いが大衆を惹きつける大きな魅力であろう。スポーツ中継の中でも高視聴率をたたき出すコンテンツで、今年も箱根駅伝は往路ともに27%を超えている(関東地区)。
今年60年目を迎えたニューイヤー駅伝は、旭化成が第43回大会以来、実に18年ぶりの優勝。日本人選手のみのチーム編成の旭化成は、4区から6区まで連続で区間賞を獲得する力走だ。3連覇を目指したトヨタ自動車は1分7秒差で涙をのんだ。一方の箱根駅伝は青山学院大学が圧倒的な強さを見せての3連覇。史上4校目となる大学3冠(箱根駅伝・出雲駅伝・全日本大学駅伝)の快挙も成し遂げた。大学、実業団とも日本人選手の存在感が光った今大会。今後のトラック競技やマラソンでの活躍に期待がかかる。
一方で箱根駅伝では心配なトラブルも発生。復路の10区を走っていた神奈川大学のランナーが一般のワゴン車と衝突しそうになる場面があったのだ。場所は千代田区内の交差点で、道路規制の連係ミスとのこと。神奈川大学は復路を7位で無事完走したが、選手自身が「命の危険を感じた」と言うほどヒヤリとさせられる光景だった。かつて生中継は不可能とまで言われた長距離かつ交通の難所を走る駅伝。初心を忘れず是非とも安全対策には万全を期してもらいたい。
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アントラーズ40日間の激戦譜、ここに終幕(1月2日)
元日の風物詩であるサッカー天皇杯日本選手権。大阪の地で決勝戦が行われるのは56年ぶり、昭和35年の第40回大会以来のことだ。
11月23日からの40日間。鹿島アントラーズのイレブンはJリーグCS、クラブW杯、そして天皇杯を戦い抜いてきた。一ヶ月あまりの過酷な連戦の中で、敗れたのはCS決勝・浦和レッズとの第1戦と、クラブW杯決勝のレアルマドリード戦のみだ。CSは第2戦でレッズに競り勝ちJ1を制覇。...
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元日の風物詩であるサッカー天皇杯日本選手権。大阪の地で決勝戦が行われるのは56年ぶり、昭和35年の第40回大会以来のことだ。
11月23日からの40日間。鹿島アントラーズのイレブンはJリーグCS、クラブW杯、そして天皇杯を戦い抜いてきた。一ヶ月あまりの過酷な連戦の中で、敗れたのはCS決勝・浦和レッズとの第1戦と、クラブW杯決勝のレアルマドリード戦のみだ。CSは第2戦でレッズに競り勝ちJ1を制覇。クラブW杯でアジア勢として史上初めての準優勝を果たした。日本サッカー史に残る快挙。だが、石井正忠監督をはじめ、選手たちの心は満たされてはいなかった。「クラブW杯決勝で負けた悔しさがあったので、天皇杯のタイトルは絶対獲るという強い気持ちで臨んだ」チームを率いた49歳の指揮官はそう総括する。連戦の中でも途切れることのなかった強いタイトル奪取へのモチベーション。それこそが、激闘に次ぐ激闘で疲労の蓄積したアントラーズを突き動かしていたのだ。クラブW杯決勝から6日後、再び天皇杯トーナメントに戻るとサンフレッチェ広島、横浜Fマリノスを連破。奇しくも最後の相手は激戦譜最初のCS準決勝で対戦した川崎フロンターレだった。この連戦でアントラーズの快進撃を支えてきた金崎夢生は、クラブW杯後体調不良で戦列を離れた。しかし「チームの状態は良い」との強い確信がアントラーズの選手間には浸透していた。一方のフロンターレはCSの雪辱戦。天皇杯初制覇にかける思いは負けていない。試合は好勝負となり、延長戦に突入。最後は2-1でアントラーズが接戦を制した。Jリーグ王者に続く2冠達成。国内最多のクラブ通算19個目のタイトル獲得だ。赤い常勝軍団の長く過酷な戦いは、最高の形で終止符を迎えた。そして激闘は2017シーズンへと続く。
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日本人ボクサー、2016年最後のファイト(1月1日)
8人の日本人ボクサーがチャンピオンベルトをかけて戦った12月30・31日の二日間。この7大世界戦で4人が王座を防衛し、2人が新王者の座に就いた。2016年最後の戦いを振り返る。
WBO世界Sフライ級タイトルマッチは、王者・井上尚弥と前WBA王者の河野公平の新旧日本人世界王者の激突。下馬評では23歳の現役王者が有利との評価が圧倒的だった。長谷川穂積を上回る日本人最年長36歳1ヶ月でのベルト奪取を狙う河野は短期決戦を狙い、1Rから積極的に前に出て攻めかかるが、井上にカウンターを合わされ、連続ダウンでレフリーストップとなった。...
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8人の日本人ボクサーがチャンピオンベルトをかけて戦った12月30・31日の二日間。この7大世界戦で4人が王座を防衛し、2人が新王者の座に就いた。2016年最後の戦いを振り返る。
WBO世界Sフライ級タイトルマッチは、王者・井上尚弥と前WBA王者の河野公平の新旧日本人世界王者の激突。下馬評では23歳の現役王者が有利との評価が圧倒的だった。長谷川穂積を上回る日本人最年長36歳1ヶ月でのベルト奪取を狙う河野は短期決戦を狙い、1Rから積極的に前に出て攻めかかるが、井上にカウンターを合わされ、連続ダウンでレフリーストップとなった。拳の負傷や腰痛で苦しんできた井上だが、この日はスピードもフットワークも万全で、河野に付け入る隙を与えなかった。2017年中の実現も噂される4階級制覇のローマン・ゴンザレスとのビッグマッチがまた一歩近づいたようだ。
大晦日の京都でWBA世界フライ級王座統一戦に挑んだ井岡一翔は、暫定王者をボディへの連打でTKO。4度目の防衛に成功した。「2017年も唯一無二を志して進化していく」との宣言にも自信が漲っている。また新たな飛翔を見せてくれるに違いない。岐阜では地元出身の元ミニマム級王者・田中恒成が、WBO世界Lフライ級新チャンピオンに輝いた。プロ8戦目での二階級制覇は井上に並ぶ日本人最速である。一方、リターンマッチに臨んだV11達成の元Sフェザー級王者・内山高志は、1-2のスプリットデシジョンで惜敗。内山最後の試合との報道もあったが、試合後は多くを語らず、新年2日のワタナベジムの会見にも姿を見せなかった。V5に成功した田口良一は内山の復帰を切望したが去就はどうなるか?2017年は村田諒太ら五輪メダリストの世界戦も期待される。日本ボクシング界に大きな注目が集まる一年になりそうである。
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熊本大地震からの復興に向けて・スポーツの力(12月30日)
4月14日以降、熊本・大分地方を相次いで襲った大地震から8か月余りが経過した。26日、熊本市ではプロ野球選手会が企画した復興支援の野球教室が開催。翌27日には、熊本県の益城町と西原村にプロ野球とJリーグの選手21人が訪問し、合同で地元の子供たちに野球教室とサッカー教室を行った。サッカーボールを使ったミニゲームやサイン会などで選手らと交流を深め、子供たちは明るい笑顔に包まれていた。ロアッソ熊本の巻誠一郎は「仮設住宅にいる子供たちもたくさんいた。...
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4月14日以降、熊本・大分地方を相次いで襲った大地震から8か月余りが経過した。26日、熊本市ではプロ野球選手会が企画した復興支援の野球教室が開催。翌27日には、熊本県の益城町と西原村にプロ野球とJリーグの選手21人が訪問し、合同で地元の子供たちに野球教室とサッカー教室を行った。サッカーボールを使ったミニゲームやサイン会などで選手らと交流を深め、子供たちは明るい笑顔に包まれていた。ロアッソ熊本の巻誠一郎は「仮設住宅にいる子供たちもたくさんいた。夢を与えることが大事だなと再確認できた」と語る。
「日本プロ野球選手会」と「日本プロサッカー選手会」は5月から復興支援活動の共同プロジェクトを実施している。プロ野球12球団とJリーグ53クラブの協力で、8回にわたりチャリティーオークションを開催。熊本地震被災者の復興支援、被災地の子供たちのスポーツ活動の資金として2650万円以上の寄付を集めた。
サッカーのロアッソ熊本のように熊本県内に拠点を置くチームも、自らが被災して練習環境が失われたなか、地元でのボランティアに積極的に参加し、いまも被災者の支援に努めている。バスケットボール・Bリーグ所属の熊本ヴォルターズは、ホームアリーナのある益城町が深刻な被害を受けた。チームの試合会場だった益城町総合体育館は、10月末まで町内最後の避難所として使われた。そんななかヴォルターズの選手たちは車中泊を続け、指定外避難所へ物資の搬送を行ってきたのだった。また、女子バレーボールのフォレストリーヴス熊本も、佐賀・鳥栖に拠点を置く久光製薬の選手と合同で熊本市の子供たちにバレー教室やチャリティーマッチを行っている。地域スポーツで育まれた絆が、復興支援に大きな力を発揮した一年だった。
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“ネガティブ力士“の称号返上・覚醒した正代(12月29日)
来年1月8日に初日を迎える大相撲初場所。15日間の前売り券は既に22日までに完売している。新番付が発表される前に前売り分が全て売り切れるのは20年ぶりのこと。数年前までなら殆どの椅子席が当日窓口で買い求めても余裕があったのが嘘のような大盛況である。今年の琴奨菊、豪栄道ら日本出身力士の優勝に加え、新しい力が台頭してきたことも、土俵の盛り上がりに大いに貢献しているといえよう。
26日に発表された新番付では先場所11勝をあげ、二度目の敢闘賞を受賞した正代が新関脇に昇進した。...
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来年1月8日に初日を迎える大相撲初場所。15日間の前売り券は既に22日までに完売している。新番付が発表される前に前売り分が全て売り切れるのは20年ぶりのこと。数年前までなら殆どの椅子席が当日窓口で買い求めても余裕があったのが嘘のような大盛況である。今年の琴奨菊、豪栄道ら日本出身力士の優勝に加え、新しい力が台頭してきたことも、土俵の盛り上がりに大いに貢献しているといえよう。
26日に発表された新番付では先場所11勝をあげ、二度目の敢闘賞を受賞した正代が新関脇に昇進した。正代は熊本出身。被災地で冬を越す人たちにとっても嬉しいニュースとなったことだろう。所要17場所での新関脇は幕下付け出しを除くと史上2位のスピード出世となる(1位は昭和60年の小錦)。東京農業大学の2年には学生横綱に輝いた正代。その後は1年先輩の遠藤に敗れタイトルに手が届かなかったため、遠藤のような幕下付け出し資格は得られなかった。しかし、前相撲からスタートしてぐんぐんと番付を上げてきた。若手の中でも一足先に三役に昇進したことで、上位陣からも警戒される存在になりつつある。新入幕時に「誰とも当たりたくありません」というネガティブ発言が話題になったが、今回も上位との対戦について「周りの人は楽しみにしていても、僕は楽しみではない」と記者を煙に巻いた。その人を食ったような話術も憎めない不思議な力士だ。
28日に行われた稽古総見では、正代は横綱・白鵬から直々の指名を受け、三番稽古を合計十番こなした。結果は全敗で最強の横綱には歯が立たなかったが、「大変良い稽古になりました。課題も感じたので、それを改善しつつ初場所に望みたいですね」と闘志に火が付いた様子だ。来場所どんな相撲を見せるか楽しみである。
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