更新を終了しています
クアドラプル時代・4大陸選手権 男子シングル(2月22日)
「今回が多分一番楽しかった銀メダルじゃないかなと思います」試合後の記者会見。羽生結弦の表情は穏やかで、清々しささえ感じられた。ショートプログラムでネイサン・チェンと宇野昌磨が史上初めて2人同時の100点越えを達成した今回の四大陸選手権。勝負のポイントはやはり4回転(クアドラプル)ジャンプ。羽生が犯したのはSPでのたった一つのミスだった。
それは「4回転サルコウ+3回転トウループ」のコンビネーションジャンプ。...
全部読む
「今回が多分一番楽しかった銀メダルじゃないかなと思います」試合後の記者会見。羽生結弦の表情は穏やかで、清々しささえ感じられた。ショートプログラムでネイサン・チェンと宇野昌磨が史上初めて2人同時の100点越えを達成した今回の四大陸選手権。勝負のポイントはやはり4回転(クアドラプル)ジャンプ。羽生が犯したのはSPでのたった一つのミスだった。
それは「4回転サルコウ+3回転トウループ」のコンビネーションジャンプ。GPファイナルでは17.37点を叩き出したこの演技が「2回転サルコウ+3回転トウループ」になってしまい、ここでの得点が6.30点にとどまった。これが響き全体3位と出遅れ、宇野ら10代2人の後塵を拝す結果に。SP後の記者会見では「自分がふがいない」と表情を曇らせた。
迎えたフリー演技。羽生・宇野が3種類の4回転を用意しているのに対し、チェンは最高難易度のルッツを含めた4種類の4回転を跳ぶ。一本のミスも許されない状況で臨んだ羽生はフリーでも4回転サルコウのコンビネーションが2回転に失速。だが、今回はここから王者の意地を見せつける。プログラムを急きょ変更し、3アクセルのコンビネーションを4回転トウループ+2トウループへと難易度を上げ成功させた。ミスを帳消しにして今季最高得点のフリー1位。残念ながら7本の4回転を決めたチェンとの差は覆せなかったが、銀メダルに輝いた。演技中に修正力を発揮出来たのは大きな収穫と言える。
「自分の限界に挑戦している感覚が好き」「本当に楽しい。この時代に生まれて良かった」フリーの終了後、羽生の顔には満足感が漂っていた。
閉じる
逆境を乗り越えて・4大陸選手権 女子シングル(2月21日)
来年の平昌オリンピックの会場で行われたフィギュアスケート4大陸フィギュア選手権。女子シングルで三原舞依が大仕事をやってのけた。
一昨年12月、彼女は突然病魔に襲われた。発症件数は10万人当たり約4人といわれる難病・若年性特発性関節炎。三原は約4ヶ月間リンクに立てないという逆境を強いられてしまう。立つことも困難なほどの痛みに耐えながらリハビリを続けた彼女は、一年後の全日本選手権で3位と健闘。見事復活を遂げてみせた。...
全部読む
来年の平昌オリンピックの会場で行われたフィギュアスケート4大陸フィギュア選手権。女子シングルで三原舞依が大仕事をやってのけた。
一昨年12月、彼女は突然病魔に襲われた。発症件数は10万人当たり約4人といわれる難病・若年性特発性関節炎。三原は約4ヶ月間リンクに立てないという逆境を強いられてしまう。立つことも困難なほどの痛みに耐えながらリハビリを続けた彼女は、一年後の全日本選手権で3位と健闘。見事復活を遂げてみせた。
今回の4大陸選手権はGPファイナル銀メダルで、全日本選手権も制したエース・宮原知子が故障で欠場。三原にも大きな期待がかかるなか、ショートプログラムでは全日本2位の樋口新葉がまさかのジャンプミスで10位と出遅れ、緊急参戦の本郷理華も9位。そんななか「楽しい気持ちで最後までできた」という完璧な演技で観客を魅了。日本人最高位の4位に食い込んだ。
2日後に迎えたフリーの演技。冒頭の3回転のコンビネーションを決めると、得点の高くなる後半の3ルッツ+2トゥループ+2トゥループまで合計7つのジャンプすべてを成功させた。磨きあげた表現力も高評価を受け、フリーで自己ベストを更新。合計得点で史上4人目の200点台をマークし、2008年の浅田真央以来となる初出場&初優勝を果たした。
今シーズン、フリーで選んだ曲は「シンデレラ」。置き忘れたシューズを履くためリンクへと戻ってきた17歳のプリンセス。20日、帰国した関西空港には、本人も初めてという大勢のファンが待ち構え、新女王に祝福を送った。三原のシンデレラストーリーはいま始まったばかりだ。
閉じる
サッカー2017シーズン開幕へ・Jとアジア(2月20日)
サッカー新シーズンの到来を告げる富士ゼロックススーパーカップ。Jリーグ王者と天皇杯覇者の対決となるこのカップ戦。今回は鹿島アントラーズが二冠を達成したため、リーグ戦2位の浦和レッズが対戦相手となった。
昨シーズン、レッズはチャンピオンシップでアントラーズの前に屈した。アントラーズの年間勝ち点「59」に対し、レッズはトップの「74」。年間2シーズン制の産物ではあるが、レッズの選手たちの悔しさは察するに余りある。...
全部読む
サッカー新シーズンの到来を告げる富士ゼロックススーパーカップ。Jリーグ王者と天皇杯覇者の対決となるこのカップ戦。今回は鹿島アントラーズが二冠を達成したため、リーグ戦2位の浦和レッズが対戦相手となった。
昨シーズン、レッズはチャンピオンシップでアントラーズの前に屈した。アントラーズの年間勝ち点「59」に対し、レッズはトップの「74」。年間2シーズン制の産物ではあるが、レッズの選手たちの悔しさは察するに余りある。今回のスーパー杯で雪辱を期する思いは強かったことだろう。一方のアントラーズは、クラブW杯での快進撃を支えたMF柴崎岳が、スペインリーグに移籍。この日のスタメンは新加入選手が4人も並ぶ新たな布陣で試合に臨んだ。
試合はアントラーズが遠藤康の2ゴールで先行。レッズは後半74分のPKをきっかけに、立て続けに得点し同点に追いつく。残り7分を切ったところで、途中出場の鈴木優磨がレッズゴール前でバックパスの一瞬の隙を突く決勝ゴール。アントラーズが大会最多6度目の優勝を飾った。試合終了後、鹿島期待の二十歳のFWは「自分が入ってから2点やられてるんで…余り納得はいってないです」と、課題を感じていた様子だ。今シーズンの更なる成長に期待したい。
一週間後に迫ったJ1開幕戦。この両チームはその前の21日にアジアチャンピオンズリーグの戦いもスタート。アントラーズは韓国の蔚山現代、レッズは豪州ウェスタン・シドニーとの対決が控えている。今年もリーグ戦と並行したハード日程だが、9年ぶりのアジア王者奪還に向け、Jの実力を見せつけて欲しいところだ。
閉じる
情熱を捨てきれない男たち・戦力外からの復活(2月18日)
開幕まで40日余りとなったプロ野球。来週にはオープン戦も始まり、各地のキャンプも佳境に入ってきた。期待のルーキーや新加入選手が大きな注目を集める一方で、オフに戦力外になった選手たちの最後の挑戦が続いている。
すでに11月にはNPB12球団合同によるトライアウトが行われ、合計65名が参加した。しかし、直後に獲得へ名乗りが上がったのは元イーグルスの榎本葵のみ(スワローズに入団決定)。最近では選手と家族たちを追った民放のドキュメンタリー番組などで一般にも馴染みが出てきたトライアウトだが、球界に残れる選手は極めて少ないのが実情である。...
全部読む
開幕まで40日余りとなったプロ野球。来週にはオープン戦も始まり、各地のキャンプも佳境に入ってきた。期待のルーキーや新加入選手が大きな注目を集める一方で、オフに戦力外になった選手たちの最後の挑戦が続いている。
すでに11月にはNPB12球団合同によるトライアウトが行われ、合計65名が参加した。しかし、直後に獲得へ名乗りが上がったのは元イーグルスの榎本葵のみ(スワローズに入団決定)。最近では選手と家族たちを追った民放のドキュメンタリー番組などで一般にも馴染みが出てきたトライアウトだが、球界に残れる選手は極めて少ないのが実情である。
トライアウトは1日限りの一発勝負で否応なく最終結論が下されてしまう。だが、尚もラストチャンスを狙う者もいる。この16日、2人の戦力外からの復活を狙うプレーヤーが嬉しい報告を受けた。元ジャイアンツの久保裕也はご存じの人も多いだろう。2002年に自由獲得枠指名で入団し、セットアッパーの一角として活躍。15年からはベイスターズに移籍したが、登板機会は2年間で9試合にとどまり戦力外通告を受けていた。今春、楽天イーグルスのキャンプに参加し、韓国プロ野球チーム相手の練習試合で好投。晴れて正式契約に漕ぎ着けた。
もう一人、合格の報を受けたのはスワローズキャンプにテスト生で参加していた元マリーンズの大松尚逸だ。「諦めずにやってきてよかった。支えてくれた皆に感謝したい」プロ11年で629安打、81本塁打。意外性のある大砲としてファンからの人気も高かった。もう一花咲かすことができるか?2人の健闘に注目したい。
閉じる
大記録達成にも平常心・撫子ジャンパーの競演(2月17日)
「まさか勝てるとは思っていなかったので」偉業達成にも高梨は自らのジャンプを冷静に振り返った。「風がとても強くて難しい条件の中での試合だったんですけど。しっかり自分を保って飛ぶことができたと思うので、そこは自信につながった部分ではあります」と自己評価した。
スキージャンプ・ワールドカップ第18戦。一年後に冬季オリンピックが開かれる韓国・平昌で、高梨沙羅が215・1点で今季9勝目。男女を通じて歴代最多となるG・シュリーレンツァウアー(オーストリア)の通算53勝に並んだ。...
全部読む
「まさか勝てるとは思っていなかったので」偉業達成にも高梨は自らのジャンプを冷静に振り返った。「風がとても強くて難しい条件の中での試合だったんですけど。しっかり自分を保って飛ぶことができたと思うので、そこは自信につながった部分ではあります」と自己評価した。
スキージャンプ・ワールドカップ第18戦。一年後に冬季オリンピックが開かれる韓国・平昌で、高梨沙羅が215・1点で今季9勝目。男女を通じて歴代最多となるG・シュリーレンツァウアー(オーストリア)の通算53勝に並んだ。女子W杯が始まった年、15歳で初勝利をつかんでから4年と11か月。89戦目での到達はレンツァウアーの記録(8年で達成)を大きく上回るペースだ。ちなみに女子の歴代2位は高梨のライバルであるもう一人の「サラ」、サラ・ヘンドリクセン(アメリカ)の13勝である。高梨が女子ジャンプ界において、いかに圧倒的な強さなのかがよくわかるだろう。
同会場で前日行われた第17戦では首位に立ちながら、2本目で逆転されて惜しくも2位。記録達成に待ったをかけたのは、同じ日の丸ジャンパー・伊藤有希だった。今季W杯4勝の伊藤は、高梨に次ぐ総合2位につけている。18戦でも表彰台に上り、連日で日本人ジャンパーでのワン・ツー・フィニッシュを決めて見せた。
これで今季のW杯は最終戦のノルウェー・オスロ大会(3/11)を残すのみ。すでに高梨の2年連続W杯総合優勝は決定している。その前に来週からフィンランドで行われる世界選手権・個人と混合団体の大一番が待ち構える。高梨と伊藤、二人のさらなる進化を見届けよう。
閉じる
「スポーツの神様」内の検索