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稀代の大横綱白鵬・積み上げた歴代1位の白星(7月21日)
かつて相撲界には記録更新は不可能と言われた三つの大記録があった。双葉山の69連勝、大鵬の優勝32回、そして千代の富士の1045勝である。「大記録。一味、ふた味、味が美味しいね」大相撲名古屋場所12日目。取組終了後、大横綱は独特の表現で偉業達成の感想を語った。第69代横綱・白鵬が通算勝ち星1047勝に到達。歴代1位の記録に並んだ
取組を前に、稽古場に姿を現した白鵬は「『勝てば優勝』は何回もしているが、優勝とは違うものがある」と、大記録達成へのプレッシャーについて語っていた。...
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かつて相撲界には記録更新は不可能と言われた三つの大記録があった。双葉山の69連勝、大鵬の優勝32回、そして千代の富士の1045勝である。「大記録。一味、ふた味、味が美味しいね」大相撲名古屋場所12日目。取組終了後、大横綱は独特の表現で偉業達成の感想を語った。第69代横綱・白鵬が通算勝ち星1047勝に到達。歴代1位の記録に並んだ
取組を前に、稽古場に姿を現した白鵬は「『勝てば優勝』は何回もしているが、優勝とは違うものがある」と、大記録達成へのプレッシャーについて語っていた。10日目の平幕・輝との初対戦では全く相手を寄せ付けず完勝。あっさりと歴代2位、元横綱・千代の富士の1045勝に並んだ白鵬は、懸賞袋の大きな束を恭しく掲げてみせた。ところが歴代1位がかかった前日の関脇・御嶽海との相撲では不覚を喫し、大記録達成に待ったをかけられていた。
そして、2度目の記録挑戦となった一番。同じモンゴル出身の関脇・玉鷲との相撲は激しい張り手も飛び出す荒々しい内容となった。前日の反省からか、組みにいかずに相手と距離を作ると、一気に白房下に寄り切って勝負をつけた。土俵下では歴代1位の記録保持者だった元大関魁皇の浅香山親方が勝負審判を務めていた。その浅香山親方は「通過点。騒ぐほどのことではない」と白鵬の偉業を評した。負け越しが許されない立場の横綱と、そうでない大関の地位で積み上げた通算勝ち星の記録には大きな差がある。横綱での最多勝ち星は燦然と輝く偉大な記録だ。一部報道では引退後の日本国籍取得も決意したとの話も出ている。この不世出の大横綱が相撲界に残る道筋が見えたことは朗報である。
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マーメイドたちの挑戦・シンクロTRで銅獲得(7月20日)
「メダルを取るのはしんどいですね。でもきょうはよくやった」(井村雅代ヘッドコーチ)。厳しい指導で知られる鬼コーチからも思わずねぎらいの言葉が出た。水泳ハンガリー・ブダペストで行われている世界選手権。シンクロナイズドスイミング日本代表、通称「マーメイドジャパン」が、日本勢初のメダルを獲得した。
シンクロチーム・テクニカルルーティーン(TR)決勝で、昨年のリオ五輪に続き銅メダルを獲得したマーメイドジャパン。...
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「メダルを取るのはしんどいですね。でもきょうはよくやった」(井村雅代ヘッドコーチ)。厳しい指導で知られる鬼コーチからも思わずねぎらいの言葉が出た。水泳ハンガリー・ブダペストで行われている世界選手権。シンクロナイズドスイミング日本代表、通称「マーメイドジャパン」が、日本勢初のメダルを獲得した。
シンクロチーム・テクニカルルーティーン(TR)決勝で、昨年のリオ五輪に続き銅メダルを獲得したマーメイドジャパン。8人が既定の要素の正確性を技術力競うTR。より、緻密な連携が必要とされるこの種目に挑んだマーメイドたちは、リオ後に加入した3名のメンバーを含めた新チームだった。圧倒的な強さを誇るロシア。井村コーチが育てたもう一つのマーメイド大国・中国といった上位に君臨する強力なライバルたちとの戦いで、ここまで日本と熾烈なメダル争いを繰り広げているのはウクライナである。直前のデュエットTRでは乾・中村ペアがウクライナに逆転され4位となり表彰台を逃した。「ウクライナの流れを止めろ!」という井村コーチの叫びがチームを引き締めた。
予選通過時のウクライナとの差はわずかに0.25弱。日本の課題曲は「弥栄日本」。日本の復活をかけた曲に、終盤の足技の連続が見事にマッチしていく。ウクライナを振り切った価値ある銅メダルだった。乾友紀子は「何が何でも今日は流れを変えないといけないと思って集中して臨みました」と安堵の表情を浮かべた。19日、ソロのフリー決勝に臨んだ乾は自己最高の4位入賞を果たした。「最後に気持ちを込めて泳げたと思う」と涙で語る愛弟子に、井村コーチも「一流選手になったと思う」と頬を綻ばせた。
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球児たちの夏、真っ盛り・清宮幸太郎の夢舞台(7月19日)
第99回全国高校野球選手権の地区予選がたけなわである。16日には全国に先駆けて沖縄県の興南高校が2年ぶり12度目の甲子園への切符を手にした。19日には鹿児島大会で決勝が行われる予定だ。
今月上旬、九州地方を襲った豪雨。その影響で未だ多くの地区が深刻な状況に陥っており、地元の球児たちも野球のみに集中できる環境ではなかった筈だ。そんななか、被害の大きかった福岡県朝倉市の朝倉高と、同市杷木地区の朝倉光陽高が初戦で対戦した。...
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第99回全国高校野球選手権の地区予選がたけなわである。16日には全国に先駆けて沖縄県の興南高校が2年ぶり12度目の甲子園への切符を手にした。19日には鹿児島大会で決勝が行われる予定だ。
今月上旬、九州地方を襲った豪雨。その影響で未だ多くの地区が深刻な状況に陥っており、地元の球児たちも野球のみに集中できる環境ではなかった筈だ。そんななか、被害の大きかった福岡県朝倉市の朝倉高と、同市杷木地区の朝倉光陽高が初戦で対戦した。試合は朝倉高校の5回コールド勝ちとなったが、試合後にお互いの健闘を讃え合う姿は感動的であった。球児たちは災害復旧活動への参加など、これからも地域復興の支えとなってくれることだろう。
その福岡大会では優勝候補だった今年の春センバツ・ベスト8の東海大福岡が、4回戦で姿を消す波乱があった。東海大福岡はセンバツの2回戦で、東京代表の早稲田実業を破ったチームである。
今大会、最も注目を集めている西東京大会の早稲田実業キャプテンの清宮幸太郎。初戦で高校通算104号となる特大アーチを放つと、18日の4回戦では満塁弾をスタンドに放り込み、2戦連発のコールド勝ちに貢献した。意外にも清宮にとって満塁HRは公式戦では初めての経験だった。高校最多本塁打記録まではあと2本。そして、西東京代表の座を勝ち取るまで残り4勝だ。「コンディションをしっかり作って臨みたい」すっかり主将としてキャプテンシーが板についた“和製ベーブルース“。彼は夢の続きをどこまで見せてくれるのだろうか。
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バレー全日本・中田&中垣内監督、国際戦初陣(7月18日)
新体制でスタートを切った男女バレーボール全日本が、いま世界を相手に初陣を戦っている。
女子はワールドグランプリ(WG)の転戦中。WGは世界バレーやワールドカップなど4年に一度開催される三大大会と違い、毎年行われるリーグ戦だ。予選ラウンドの仙台大会が14日から行われ、中田久美監督の国内初采配となった。強豪セルビアにはストレートで完敗したものの、国内最終戦のブラジル戦ではフルセットの激闘の末、6年ぶりに勝利。...
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新体制でスタートを切った男女バレーボール全日本が、いま世界を相手に初陣を戦っている。
女子はワールドグランプリ(WG)の転戦中。WGは世界バレーやワールドカップなど4年に一度開催される三大大会と違い、毎年行われるリーグ戦だ。予選ラウンドの仙台大会が14日から行われ、中田久美監督の国内初采配となった。強豪セルビアにはストレートで完敗したものの、国内最終戦のブラジル戦ではフルセットの激闘の末、6年ぶりに勝利。前回女王相手に引けを取らない攻撃的なバレーを展開して見せた。木村沙織の抜けた後、若手や新加入のメンバーでチームを再編した中田監督。ブラジル戦を終えて「戦う姿勢を見せたいと選手たちに伝えての一戦だった」と振り返った。4勝2敗とまずまずの成績で、週末から香港大会に挑む。
一方の男子は来年の世界選手権の出場をかけ、オーストラリアでアジア予選を戦った。石川祐希、柳田将洋の二大エースを擁しキャンベラに乗り込んだ中垣内新監督。初戦にはやや硬さも見られたが、チャイニーズタイペイ、ニュージーランドとタイを失セットゼロで撃破。最終戦では地元オーストラリアと対戦。互いにセットを奪い合う激しいゲームとなり、最終セットを15-13で取り、全勝で大会を終了。見事に世界選手権の切符を手にした。大きな輝きを見せたのは、チーム最年少21歳の石川だ。アタックだけでなくジャンプサーブも冴え32得点をあげる活躍で勝利に貢献した。大会中に中垣内監督も「石川様様だった」と高評価を与えた。
9月には日本国内でワールドグランドチャンピオンシップが控える。三大大会に次ぐ格式の世界大会で、男女ともに最初の決戦に挑む。
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夢の球宴プロ野球オールスターゲーム今昔物語(7月17日)
プロ野球は17日から後半戦に突入する。週末、第67回となるオールスターゲームがナゴヤドームとZOZOマリンスタジアムで開催され、超満員の観客が夢の球宴に酔いしれた。
名古屋での第1戦ではプロ野球殿堂表彰式が執り行われた。挨拶に立った星野仙一楽天球団副会長は「こんないっぱいのナゴヤドームは最近見たことない。ドラゴンズをもっともっと応援してやってください。甲子園も仙台のコボスタもいつも満員ですよ」と、古巣への辛口のエールを送った。...
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プロ野球は17日から後半戦に突入する。週末、第67回となるオールスターゲームがナゴヤドームとZOZOマリンスタジアムで開催され、超満員の観客が夢の球宴に酔いしれた。
名古屋での第1戦ではプロ野球殿堂表彰式が執り行われた。挨拶に立った星野仙一楽天球団副会長は「こんないっぱいのナゴヤドームは最近見たことない。ドラゴンズをもっともっと応援してやってください。甲子園も仙台のコボスタもいつも満員ですよ」と、古巣への辛口のエールを送った。前半戦を5位で折り返したドラゴンズは、観客動員数でもセリーグで5番目と苦戦中。最近カープやベイスターズが大幅に観客を増やしているなか、かつての熱血指揮官にとっては、さぞや歯がゆい思いだったに違いない。
全パの2連勝で終了した今年のオールスター。パが全勝したのは13年ぶり。プロ野球再編問題で球界が揺れた2004年以来だ。長野オリンピックスタジアムでSHINJO(新庄)が決めたホームスチールは球史に残る劇的なシーンだった。
かつてセ・パには観客動員力に埋め難い開きがあり、パリーグのゲームは閑古鳥が鳴いていた時代があった。TV中継もなかったパの選手にとってオールスターは正に晴れ舞台。70年代まで大幅にパが勝ち越し、「人気のセ・実力のパ」とも呼ばれた。90年代以降はセが優勢となり、2000年代に入ると逆にパは大きく負け越しが続いていく。交流戦ではパの強さが目立つが、球宴では真逆の状態だったのだ。もしも今年セが2連勝していたら、実に65年ぶりにセ・パの勝利数が並ぶはずだった。今後も良きライバルとして両リーグともに発展してもらいたい。
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