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3人目の欧州出身大関・栃ノ心に見る師弟の絆(5月31日)
大相撲に史上3人目のヨーロッパ出身の大関が誕生した。日本相撲協会は臨時理事会を開き、栃ノ心の大関昇進を正式に決定。「親方の教えを守り、力士の手本となるように稽古に精進します」昇進時の口上に親方に言及するのは異例のこと。初場所から10年での大関昇進は、二代目旭国に並ぶ史上1位タイのスロー記録である。
春日野部屋からは実に56年ぶりとなる大関誕生。師匠の春日野親方(元・栃乃和歌)も、「まさか自分の部屋から大関が出せるとは」と感慨もひとしおの様子。...
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大相撲に史上3人目のヨーロッパ出身の大関が誕生した。日本相撲協会は臨時理事会を開き、栃ノ心の大関昇進を正式に決定。「親方の教えを守り、力士の手本となるように稽古に精進します」昇進時の口上に親方に言及するのは異例のこと。初場所から10年での大関昇進は、二代目旭国に並ぶ史上1位タイのスロー記録である。
春日野部屋からは実に56年ぶりとなる大関誕生。師匠の春日野親方(元・栃乃和歌)も、「まさか自分の部屋から大関が出せるとは」と感慨もひとしおの様子。口上に「親方の教え」という言葉が入ったことには苦笑いも見せたが、当の栃ノ心は「親方に反対されたけど、自分の気持ちで“親方”を入れたかった」と心情を吐露した。5年前に襲った膝の前十字靭帯断裂。三役から幕下にまで陥落し、一時は引退も考えたどん底を味わった。そこから再び這い上がってきたのは「あと10年頑張ってみろ」という師匠の叱咤の言葉だったという。
強い信頼で結ばれた親方と弟子。しかし蒸し返すつもりはないが、かつて師弟関係に亀裂が入るような出来事もあった。2011年に部屋で起きた暴行問題。無断外泊を繰り返した栃ノ心に対し、親方がゴルフクラブで殴打したという疑惑が明るみに出て、警察の聴取を受ける事態となった。この時、春日野親方は土下座して謝罪。栃ノ心も自らの非を認め、この一件以降生活態度を改めたという。無論暴力は許されるものではない。先般の日馬富士の事件に象徴されるように角界に蔓延る暴力体質が完全に一掃されたとは言い難い状況もある。それはどの部屋でも肝に銘じていることだろう。栃ノ心の明るいキャラクターもあり、久々の明るい話題に沸くいまだからこそ、その絆を壊すことなくさらに上を目指していってほしい。
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14年目の交流戦開幕・チャンスを掴むのは?(5月30日)
今年で14年目を迎えたプロ野球セ・パ交流戦が始まった。前日に行われた開幕記者会見では両リーグのルーキーが登場。「成長した姿を見せたい(ベイスターズ・東克樹)」「一流投手の球を見てみたい(マリーンズ・藤岡裕大)」と共に期待に胸を膨らませていた。
交流戦が始まってからの成績はセリーグ872勝に対してパリーグが981勝(引き分け55)と大きく差が開いている。チームによっても交流戦を得意とするチームに対し、大の苦手としている球団もある。...
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今年で14年目を迎えたプロ野球セ・パ交流戦が始まった。前日に行われた開幕記者会見では両リーグのルーキーが登場。「成長した姿を見せたい(ベイスターズ・東克樹)」「一流投手の球を見てみたい(マリーンズ・藤岡裕大)」と共に期待に胸を膨らませていた。
交流戦が始まってからの成績はセリーグ872勝に対してパリーグが981勝(引き分け55)と大きく差が開いている。チームによっても交流戦を得意とするチームに対し、大の苦手としている球団もある。これまで12球団で最も勝率が悪いのはDeNAベイスターズ。2015年シーズンでベイスターズは交流戦前まではセリーグ首位に立っていたが、交流戦で大きく負け越し一転最下位に沈んだ。逆に2010年には開幕ダッシュに失敗し低迷していたオリックス・バファローズがセリーグとの対戦で息を吹き返した。見違えるように快進撃を続け交流戦初優勝を果たしたというケースもある。ちなみにこれまでの交流戦で12球団中最高勝率を誇るのはソフトバンク・ホークス(優勝7回)だ。
初戦となった29日の試合。結果はパ5勝に対しセ1勝と、またしてもパリーグ優勢の結果となった。しかし、セリーグで唯一の勝ち星を挙げたのが他ならぬベイスターズだった。先発のウィーランドが楽天打線を2点に抑える好投。打線も梶谷の3ランなどでチーム二桁安打と爆発した。ここまで首位を独走するカープに必死で追いすがっている2位のベイスターズ。交流戦ではこの日のように同リーグの他チームが全敗するなか独り勝ちとなるケースもまま起こり得る。今年こそ苦手のパとの試合で勢いをつかむことが出来るか?
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2年目を終えたBリーグ・日本バスケへの期待(5月29日)
先週末、チャンピオンシップ決勝が行われたBリーグ。8チームによるトーナメント決勝に勝ち上がったのは天皇杯王者・千葉ジェッツとリーグ戦で千葉に勝ち越しているアルバルク東京。リーグ史上最多1万2000人の観衆を集めた試合は、アルバルクがエース・田中大貴らの活躍で25点差をつけ圧勝。初のリーグ王者に輝いた。全国各地で熱戦を繰り広げた終えたBリーグの2シーズン目を振り返ってみる。
2016年に国内2つのリーグを統合して発足したBリーグ。...
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先週末、チャンピオンシップ決勝が行われたBリーグ。8チームによるトーナメント決勝に勝ち上がったのは天皇杯王者・千葉ジェッツとリーグ戦で千葉に勝ち越しているアルバルク東京。リーグ史上最多1万2000人の観衆を集めた試合は、アルバルクがエース・田中大貴らの活躍で25点差をつけ圧勝。初のリーグ王者に輝いた。全国各地で熱戦を繰り広げた終えたBリーグの2シーズン目を振り返ってみる。
2016年に国内2つのリーグを統合して発足したBリーグ。初年度の観客動員数はB1の18チーム合計で148万人を超え、2リーグ時代の1.5倍に達する成功を収めた。2年目もその人気は加速し、さらに前年比10%増の伸びを見せている。1月に熊本で行われたオールスターゲームは3200席が2分で完売するというプラチナチケットとなった。今回の決勝でも大キャパシティーを誇る横浜アリーナが10分でほぼ売り切れとなったことからも、その人気定着ぶりがうかがえる。プロリーグ化は順調に軌道に乗りつつあるといってよいだろう。
日本のバスケットボール界にとって明るい希望となっているBリーグだが、課題はやはり日本代表の成長だ。3月に行われたW杯2019の アジア地区1次予選では4連敗に終わってしまった。現在の世界ランク48位から底上げを図らないと2020東京五輪での開催国出場枠獲得は難しい。やはりサッカーや同じインドアスポーツのバレーボールのような国民的な人気獲得には代表チームの活躍が不可欠だ。4月にはBリーグ・川崎のニック・ファジーカスの日本帰化も決まり代表入りが期待されている。日本代表AKATSUKI FIVEの奮起に期待したい。
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鶴竜、完全復活!!・進化した横綱相撲で初連覇(5月28日)
堂々の横綱相撲での連覇達成だ。「土俵に戻って来た時に、まだ鶴竜はこういう相撲を取るんだぞというのをずっと見せたかった」優勝インタビューで心境を語った鶴竜。本当に昨年は試練の年だった。怪我に泣かされ、5場所を休場。皆勤したのは春場所のみで、引退の危機も囁かれた。崖っぷちからの完全復活である。
先場所は白鵬・稀勢の里の二横綱が全休。日馬富士の引退もあり、8場所ぶりの賜杯獲得にも鶴竜を優勝候補に挙げる声は大きくはなかった。...
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堂々の横綱相撲での連覇達成だ。「土俵に戻って来た時に、まだ鶴竜はこういう相撲を取るんだぞというのをずっと見せたかった」優勝インタビューで心境を語った鶴竜。本当に昨年は試練の年だった。怪我に泣かされ、5場所を休場。皆勤したのは春場所のみで、引退の危機も囁かれた。崖っぷちからの完全復活である。
先場所は白鵬・稀勢の里の二横綱が全休。日馬富士の引退もあり、8場所ぶりの賜杯獲得にも鶴竜を優勝候補に挙げる声は大きくはなかった。しかし、そんな下馬評をよそに白星を積み重ねていき、14日目の栃ノ心との一番では真っ向からねじ伏せ、大関昇進を確実にして勢いに乗る相手に打ち勝った。勝てば優勝が決まる千秋楽結びの一番でも白鵬を圧倒。初の連覇を達成した。10日目の琴奨菊戦では立ち合いの変化で白星となり、場内からは厳しいヤジも飛ぶ一番もあったが、場所を通して鶴竜らしい土俵を上手く使った技巧派相撲が冴えていたと言える。優勝争いをした栃ノ心が力強い“剛”の相撲なのに対して“柔”の取り口が鶴竜の真骨頂だろう。苦しい試練を乗り越え、自身が語っていた「進化した鶴竜」を見せてくれた。
栃ノ心は終盤で連敗を喫したものの、これまで勝てなかった白鵬から初白星を挙げた一番をはじめ、玉鷲や魁聖といったこれまで中盤で当たって取りこぼすこともあった相手に完勝したのは大きな収穫だった。安定感が大きく増したことで大関昇進後も毎場所優勝争いに絡むような活躍が期待できそうだ。
一方少し心配なのはこの二人との直接対決で精彩を欠いた白鵬。流石に衰えを感じさせる部分もあるが、まだまだあの強さを見せてほしい。
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衝撃の秒殺KO・“怪物“井上尚弥、バンタムへ(5月26日)
何という強さだろうか。日本ボクシング史上最短の3階級制覇はわずか112秒でのKO決着だった。「皆さん、これがボクシングです!早過ぎるというクレームは勘弁してください」リング上のマイクパフォーマンスも余裕綽々。井上尚弥というボクサーの底知れぬ力をまざまざと見せつけられた。
ライトフライ級でプロ6戦目での世界王座奪取。史上最速で2階級制覇となったスーパーフライ級では7度の防衛を果たし、敵なしだった井上の新たな主戦場は“黄金のバンタム級”だった。...
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何という強さだろうか。日本ボクシング史上最短の3階級制覇はわずか112秒でのKO決着だった。「皆さん、これがボクシングです!早過ぎるというクレームは勘弁してください」リング上のマイクパフォーマンスも余裕綽々。井上尚弥というボクサーの底知れぬ力をまざまざと見せつけられた。
ライトフライ級でプロ6戦目での世界王座奪取。史上最速で2階級制覇となったスーパーフライ級では7度の防衛を果たし、敵なしだった井上の新たな主戦場は“黄金のバンタム級”だった。相手はWBA王座を6度防衛中のジェームス・マクドネル。老獪な王者にバンタム級初戦の井上がどう試合を組み立てるのか注目が集まった。さしもの怪物も今回は手こずるのでは、との見立てもあったが、井上は身長差10cm、リーチでは12cm上回るマクドネルのパンチをものともせず、初回から一気に畳みかけていく。90秒過ぎに最初のダウンを奪うと、もうマクドネルには打つ手がなかった。眉をカットし鮮血が井上の肩にかかると、もう決着まで時間はかからなかった。
前日の試合前軽量ではマクドネルが大幅に予定時刻を過ぎても到着せず、井上は一時間以上も待ちぼうけを喰らわされた。このあたりも長期防衛を続ける現王者の神経戦だったのだろうか。このところ山中慎介の対戦相手・ネリの体重超過や、比嘉大吾の軽量失敗による王座はく奪など前日軽量に関する騒動が続いただけに水を差された形だったが、この“怪物”には全く無縁だったようだ。各団体バンタム王者らによるトーナメント戦・WBSSへの参戦も表明した井上。この階級でも新たな伝説を見せてくれそうだ。
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