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混戦の日本選手権・新女王の座は坂本花織に!(12月24日)
フィギュアスケートGPシリーズのファイナリスト3名が出場した今年の女子全日本選手権。世界選手権の選考を兼ねた氷上の決戦は例年以上に大混戦となった。
“リンクには魔物が潜む”シニアデビューから5連勝、GPファイナルも制し、快進撃を続ける紀平梨花にまさかそんな事態が降りかかるとは思いもよらなかったろう。SP、直前練習では成功させていたトリプルアクセルで転倒。原因は大切に使い続けて柔らかくなっていたシューズに巻き直したテーピングだった。...
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フィギュアスケートGPシリーズのファイナリスト3名が出場した今年の女子全日本選手権。世界選手権の選考を兼ねた氷上の決戦は例年以上に大混戦となった。
“リンクには魔物が潜む”シニアデビューから5連勝、GPファイナルも制し、快進撃を続ける紀平梨花にまさかそんな事態が降りかかるとは思いもよらなかったろう。SP、直前練習では成功させていたトリプルアクセルで転倒。原因は大切に使い続けて柔らかくなっていたシューズに巻き直したテーピングだった。「自分でもなんでこんなに硬くしたのか」という調整ミスが響いてまさかの5位と大きく出遅れてしまう。
迎えたフリーの演技。紀平はSPの結果を引きずった様子もなく「笑顔で終わりたい」と平常心で臨んだ。3アクセルほかジャンプはすべて成功し、ステップ・スピンも完璧に成功。GPファイナルでも出来なかった全項目で最高評価を獲得し、総合で首位に躍り出た。その直後に登場したのはSP首位の宮原知子。4年連続女王の貫録と気品溢れる圧巻の演技を披露し、連続ジャンプで得点を重ねていく。だが、最終盤のジャンプで姿勢が乱れ、この唯一のミスにより僅差で紀平には届かず。伊藤みどりに並ぶ5季連続の全日本制覇は逃した。
最終滑走で登場したのは坂本花織だ。前日「去年は勢いだけで行ったんですけど、今年はしっかり一個一個やりたいなと思っています」その言葉通り、坂本は慎重に、しかし大胆に次々と技を重ねていく。持ち前のダイナミックなスケーティングに加え繊細さ、表現力は格段に上がっていた。ノーミスの完璧な演技で紀平を4ポイント以上上回り初優勝。世界選手権の切符を手に入れた。修正力を発揮した紀平も、GPファイナルの不振から輝きを取り戻した宮原も含め、三者三様にそれぞれ大きな収穫を得た大会だった。また、惜しくも表彰台を逃したものの三原舞依も220点超えのハイレベルな戦い。3月の世界選手権に向けて、さらに大きな期待が高まった。
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クラブW杯・世界最高峰でのアントラーズの戦い(12月23日)
レアルマドリードの前人未到の三連覇で幕を閉じたクラブワールドカップ。3位決定戦で南米王者リバープレートに挑んだアジア王者・鹿島アントラーズは0-4で敗れ4位に終わり、雪辱を果たすことはできなかった。
準決勝、2年ぶりの対決となった欧州王者レアルマドリードとの一戦はほろ苦い結果に。ウェールズ代表のFWガレス・ベイルの3得点でアントラーズは3-1で敗れた。奇しくも前回対戦時と同じ2点差、クリスチアード・ロナウドに決められたのと同じくハットトリックを喫しての敗戦だったが、内容的には完敗だったといえる。...
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レアルマドリードの前人未到の三連覇で幕を閉じたクラブワールドカップ。3位決定戦で南米王者リバープレートに挑んだアジア王者・鹿島アントラーズは0-4で敗れ4位に終わり、雪辱を果たすことはできなかった。
準決勝、2年ぶりの対決となった欧州王者レアルマドリードとの一戦はほろ苦い結果に。ウェールズ代表のFWガレス・ベイルの3得点でアントラーズは3-1で敗れた。奇しくも前回対戦時と同じ2点差、クリスチアード・ロナウドに決められたのと同じくハットトリックを喫しての敗戦だったが、内容的には完敗だったといえる。前半終了間際に先制を許したのはともかく、2失点目のゴール前でのバックパスはあまりに不用意だった。後半開始早々のあの失点がなければ、試合の行方はまだどう転んでいたかわからなかったろう。鹿島イレブンは三連覇を狙う銀河系軍団に持ち味を完全に封じられてしまった感があった。残念ながらレアルを延長戦にまで追い込んだ16年大会の興奮の再来とはならなかった。
しかし、今シーズンACLで数々の死闘を勝ち抜いた功績は色あせるものではない。ACLから北中米王者グアダラハラとのゲームまで幾度も絶体絶命の窮地に追い込まれながらも驚異的な粘りで勝利をつかんできたのだから。クラブW戦ではエース鈴木優磨をはじめ三竿健斗、小田逸稀を故障で欠く非常に厳しい状況で臨みながら最後まで戦い抜いたことは称賛に値する。3位決定戦でも先発起用された19歳・安倍裕葵はまばゆい輝きを見せてくれた。この世界最高峰での経験は鹿島だけでなく日本サッカー界にとって大きな収穫だったといっても過言ではない。
今年のクラブチームの戦いは終わった。2019年も再びACLに挑むアントラーズほかJクラブが、またこの世界№1を決める舞台に戻ってくることを期待したい。
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日本プロスポーツ大賞発表・2018のボクシング界
平成最後の内閣総理大臣杯・日本プロスポーツ大賞の授賞式典が東京・千代田区のホテルニューオオタニで執り行われた。2年ぶり2度目の大賞受賞で読み上げられた名前は会場名と同じ「オオタニ」。今季のMLBを席巻したエンゼルス・大谷翔平だった。「来年、再来年と何度でも受賞できるように頑張っていきたい」と喜びを語った大谷。半世紀の歴史を誇るこの大賞を個人で3度受賞したのは王貞治とイチローのみ。数々の歴史を塗り替えて来た彼ならばこの先幾度もこの壇上に登ることがあっても少しも不思議ではないだろう。...
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平成最後の内閣総理大臣杯・日本プロスポーツ大賞の授賞式典が東京・千代田区のホテルニューオオタニで執り行われた。2年ぶり2度目の大賞受賞で読み上げられた名前は会場名と同じ「オオタニ」。今季のMLBを席巻したエンゼルス・大谷翔平だった。「来年、再来年と何度でも受賞できるように頑張っていきたい」と喜びを語った大谷。半世紀の歴史を誇るこの大賞を個人で3度受賞したのは王貞治とイチローのみ。数々の歴史を塗り替えて来た彼ならばこの先幾度もこの壇上に登ることがあっても少しも不思議ではないだろう。
殊勲賞に選ばれたのはボクシングの現WBAバンタム級世界王者・井上尚弥だ。今年バンダム級に階級変更し、3階級制覇を成功させた。10月には各団体の王者を集めたワールドボクシングスーパーシリーズで、わずか70秒のKO勝利を飾り世界中に衝撃が走った。5年前には新人賞に選ばれているが、今回はNHK賞とのダブル受賞となった。井上はこの日顔を合わせた大谷とは実は同じマネジメント会社に所属している。インタビューでは「大きなオーラがある。会っただけでも刺激がありました」と一歳下の後輩を評した。過去にプロボクサーでスポーツ大賞の大賞を受賞したのは具志堅用高、辰吉丈一郎ら3人のみ。「プロとしてやっている以上そういった賞を受賞できるようにしたい」と意欲を示した。
今回ボクシング界からは山中慎介が功労賞、WBOスーパーフェザー級王者の伊藤雅雪が新人賞を受賞している。WBC世界バンタム級を5年余り12回防衛した山中は、今年3月のタイトルマッチで王座奪取に失敗。リングに別れを告げた。
今年のボクシング界ではミドル級・村田諒太の王座陥落などもあり、年初には10人以上を数えた日本人の世界王者は5人にまで減ってしまったが、年末に向けてまた多くのビッグマッチが控えている。大晦日には現役復帰を決めた井岡一翔が日本人初の4階級制覇に挑む(スーパーフライ級)。また、前述の伊藤雅雪も30日にライトフライ級王者・拳四朗らとともにトリプル世界戦を控えている。リング外では何かと逆風も多かった今年の日本ボクシング界だが、来年に向けて再び盛り上げていってもらいたい。
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暴行問題に揺れた大相撲・“暴力追放“はなるか?(12月20日)
2018年のスポーツ界を振り返ると各競技からパワハラや暴力の問題が噴出し、大きな社会問題となった一年でもあった。特に昨年来、力士の暴行による騒動で大揺れとなった角界は、年末に入ってからも新たな暴行事件が発覚するなど問題の根深さを伺わせており残念な限りだ。
19日、日本相撲協会では理事会で「暴力禁止規程」を承認、施行した。規程では正当な相撲の範疇を超えて、不当に攻撃したり何度も繰り返し叩きつけるたりする行為などを暴力だと定義。...
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2018年のスポーツ界を振り返ると各競技からパワハラや暴力の問題が噴出し、大きな社会問題となった一年でもあった。特に昨年来、力士の暴行による騒動で大揺れとなった角界は、年末に入ってからも新たな暴行事件が発覚するなど問題の根深さを伺わせており残念な限りだ。
19日、日本相撲協会では理事会で「暴力禁止規程」を承認、施行した。規程では正当な相撲の範疇を超えて、不当に攻撃したり何度も繰り返し叩きつけるたりする行為などを暴力だと定義。力士が暴力をふるった場合の懲戒処分について、関取以上は「出場停止1場所」を基準とし、暴行の程度や番付によって判断するとした。特に横綱が暴力を振るった場合は、最も重い「引退勧告以上の厳しい懲戒処分」を下すという。
さらに同日午後、全関取対象の「付け人に対する研修会」を実施。この研修は元々来年2月に予定されていたものを前倒し実施したものだ。八角理事長からは訓示で、「付け人は師匠の弟子で、絶対に暴力を振るってはいけない」「関取と付け人が互いに感謝の気持ちを持って接すること」などの指導が行われたという。力士会会長の横綱・鶴竜は、「一人ずつ関取衆が自覚を持ってやることが大切だと思う」と語った。
昨年来相次いだ一連の暴力が絡む不祥事は許されるものではないことは論を待たない。一方で相撲の世界には長年「可愛がり」と称される、兄弟子や師匠からの厳しい稽古場の指導が存在してきた。過度な攻撃を暴力と認定するとしたら、伝統的な稽古方針も見直しを迫られざるを得ないだろう。また、取組中での所謂「駄目押し」行為などもその範疇に入るのかどうかの線引きも難しい。仮に相手力士が怪我をするような事態になった場合、協会側が果たしてどれほど厳格な措置を示せるものだろうか?来年以降も改革の行方を注視していきたいところである。
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2018Jリーグの顔・川崎の安定感と札幌の躍進(12月19日)
Jリーグの年間表彰式「Jリーグアウォーズ」が横浜アリーナで開催され、今シーズンのサッカーシーンを彩った選手たちが一堂に会した。
歴代5チーム目となる川崎フロンターレの連覇で幕を閉じた今シーズン。ベストイレブンにはその川崎から歴代最多タイの7名が名を連ねた。史上初めて最多得点・最少失点での優勝を達成した川崎の強さが際立った一年だったと改めて感じさせる。それが象徴的なのは今シーズンの全813ゴールの中から選ばれた「最優秀ゴール賞」だろう。...
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Jリーグの年間表彰式「Jリーグアウォーズ」が横浜アリーナで開催され、今シーズンのサッカーシーンを彩った選手たちが一堂に会した。
歴代5チーム目となる川崎フロンターレの連覇で幕を閉じた今シーズン。ベストイレブンにはその川崎から歴代最多タイの7名が名を連ねた。史上初めて最多得点・最少失点での優勝を達成した川崎の強さが際立った一年だったと改めて感じさせる。それが象徴的なのは今シーズンの全813ゴールの中から選ばれた「最優秀ゴール賞」だろう。優勝を大きく手繰り寄せた第30節・神戸戦での大島僚太の勝ち越しゴールは、フロンターレサッカーの真骨頂。実に34本ものパスをつなぎ、最後はDF陣に全くボールに触れさせることなく神戸のゴールポストを貫いた。今季のスローガン“Go Sensational !”そのままの鮮烈な決勝弾だった。
MVPは川崎の右サイドを務める家長昭博が初受賞。「このような名誉ある賞を平々凡々な記録でもらうのは心苦しいのですけどありがとうございます(家長)」と謝意を述べた。確かに6得点7アシストという数字は決して突出したものではないが、的確な判断力とドリブルの突破力はチームになくてはならない存在となっている。会場では同い年(生年月日も一緒)の本田圭佑からの祝福メッセージも上映された。
また、北海道コンサドーレ札幌のチャナティップが初のベストイレブンに選出。チーム史上最高の4位に押し上げる原動力となったタイから来た158㎝のMFは「ドキドキです!最高!」と日本語で喜びを爆発させた。来季の活躍にも期待が膨らむ。
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