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五感を駆使したパラスポーツ・ゴールボール(12月11日)
日本のパラリンピックでの金メダル獲得が期待されるゴールボール。10日まで千葉ポートアリーナでアジアパシフィック選手権が行われ、女子日本代表が決勝で中国を2-1で破り大会3連覇を達成。男子も韓国との3位決定戦を制し銅メダルに輝いた。
女子日本代表は現在世界ランク3位。2012年のロンドンパラリンピックでは金メダルを獲得し、一躍脚光を浴びた。競技の内容について簡単に説明すると、ゴールボールは視覚に障害を持った選手たちが鈴の入ったボールを使って行うパラスポーツである。...
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日本のパラリンピックでの金メダル獲得が期待されるゴールボール。10日まで千葉ポートアリーナでアジアパシフィック選手権が行われ、女子日本代表が決勝で中国を2-1で破り大会3連覇を達成。男子も韓国との3位決定戦を制し銅メダルに輝いた。
女子日本代表は現在世界ランク3位。2012年のロンドンパラリンピックでは金メダルを獲得し、一躍脚光を浴びた。競技の内容について簡単に説明すると、ゴールボールは視覚に障害を持った選手たちが鈴の入ったボールを使って行うパラスポーツである。1チーム3人で行われ、アイシェードと呼ばれる目隠しを着用し、バレーボールと同じ広さのコートでボールを転がすように投げ合ってゴールを競う。守備側は音を頼りに攻撃を防ぐことになる。単純に聴覚だけではなく、振動や気配を察知してボールをキャッチするという、まさに五感全体を駆使したスポーツと言える。ゴールボールの世界ではこれは「サーチ力」と呼んでいる。選手は相手の位置を把握したうえで、コースやスピードを予測する高度な駆け引きも必要となってくる。また、投球時に他選手が足音を出してかく乱するフェイントも有効な攻撃法。攻守双方の読み合い・探り合いも非常に面白い。
近年主流になってきている攻撃方法は球を床に叩き付けて弾ませるバウンドボールだ。日本代表はリオパラリンピックではこの戦法に苦戦し、惜しくもメダルを逃している。今大会ではバウンドボールを上手く取り入れ、多くの得点を挙げた。女子キャプテンの天摩由貴は「(東京で)一番良い表彰台にあがれるようにさらに強くなってパラリンピックに行きたい」と意気込みを語る。国内でのゴールボール自体の知名度も徐々に上がってきた。協会による体験会も行われており、より一層の普及を期待したい。
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石川vs平野・卓球女子シングル五輪代表争い(12月10日)
いま各競技で東京オリンピックの代表枠をかけた熱き闘いが繰り広げられている。なかでも卓球の女子シングルは残り1枠を巡り、かつてない熾烈な争いとなっている。
ノースアメリカンオープン・女子シングルスに出場した石川佳純(世界ランク10位)と平野美宇(11位)。大会前の獲得ポイントでは平野が65ポイント差で一歩リードしていた。互いに世界の強豪を撃破し決勝戦に進出。2人の直接対決が実現した。試合はまず石川が2ゲームを連取しリード。...
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いま各競技で東京オリンピックの代表枠をかけた熱き闘いが繰り広げられている。なかでも卓球の女子シングルは残り1枠を巡り、かつてない熾烈な争いとなっている。
ノースアメリカンオープン・女子シングルスに出場した石川佳純(世界ランク10位)と平野美宇(11位)。大会前の獲得ポイントでは平野が65ポイント差で一歩リードしていた。互いに世界の強豪を撃破し決勝戦に進出。2人の直接対決が実現した。試合はまず石川が2ゲームを連取しリード。平野も第3ゲームを取り返すと、その後第5ゲームまで交互にゲームを奪う一進一退の攻防に。そして迎えた第6ゲーム。デュースにまでもつれたが、最後に勝利の女神が微笑んだのは石川だった。この結果、石川が平野を逆転して10830ポイントに到達。その差は135ポイントとなった。試合終了直後、石川の目には涙があふれた。「年齢はいま私が一番上ですけど、関係なく本当に他の選手からすごく学ばせてもらっています」一方の平野は悔し涙に濡れ、唇を噛んだ。それでもまだその心は投資を失ってはいない。「オリンピックの代表になることはそう簡単なことではないですし。これが現実かなと思うので…あと一大会最後までやり切りたいなと思います」と決意を誓う。
そう、気落ちしている暇はない。12日から選考レース最終戦となるグランドファイナルが開幕する。世界トップ16選手によるトーナメント。ここで相手よりも一つでも多く勝ち進んだ方が代表の座を手にすることになる。石川が3大会連続で切符を手にするか?それとも平野が悲願の初代表となるのか?激闘の模様はテレビ東京の卓球チャンネル(YouTube)で配信予定だ。
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Jリーグ2019閉幕・アウォーズ受賞の顔ぶれ(12月9日)
最終節までもつれたJ1優勝争いは横浜Fマリノスが15年ぶり4回目のJ1制覇。その余韻も冷めやらぬ8日、サッカー2019Jリーグアウォーズが都内で開催された。
文字通りの優勝決定戦。首位・マリノスと2位・FC東京の直接対決というドラマティックな展開となった日産スタジアムにはリーグ史上最多6万3854人もの観客が詰めかけた。FC東京の逆転優勝は4点差以上での勝利という厳しい条件。しかし前半26分にマリノスのティーラトン(タイ代表)が絶妙なループシュートを決めると、前半終了間際にもエリキが追加点。...
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最終節までもつれたJ1優勝争いは横浜Fマリノスが15年ぶり4回目のJ1制覇。その余韻も冷めやらぬ8日、サッカー2019Jリーグアウォーズが都内で開催された。
文字通りの優勝決定戦。首位・マリノスと2位・FC東京の直接対決というドラマティックな展開となった日産スタジアムにはリーグ史上最多6万3854人もの観客が詰めかけた。FC東京の逆転優勝は4点差以上での勝利という厳しい条件。しかし前半26分にマリノスのティーラトン(タイ代表)が絶妙なループシュートを決めると、前半終了間際にもエリキが追加点。最後は遠藤渓太の3点目が決まり東京を突き放したマリノスが完勝。連覇を成し遂げた2004年以来15年ぶり4回目のJ1王座に返り咲いた。
昨季の12位からのV字回復を見せたマリノス。アウォーズにも4名が名を連ねた。MVPは身長161cmの小さな巨人・仲川輝人が得点王、ベストイレブンとのトリプル受賞となった。現在は10日から韓国で開幕するEAFF E-1サッカー選手権に代表初召集を受け、合宿参加中。27歳で開花した苦労人は、「自分の努力もついに実ったのかな」と喜びをあらわにした。
惜しくも初優勝こそ逃したもののクラブ史上最高の2位となったFC東京からはマリノスを上回る6名の選手がベストイレブンに選出された(1チームから6名の選出はJ最多記録)さらに年間の反則ポイントが最も少ない「フェアプレー賞高円宮杯」の受賞の栄誉にも浴した。
なお、新人王にあたるベストヤングプレーヤー賞は21歳の田中碧(川崎フロンターレ)が受賞した。田中もE-1選手権に代表初選出されている。仲川とともに初代表での活躍に注目したい。
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GPファイナル・羽生結弦は王座奪還ならず…(12月8日)
全てを出し切った。そんな達成感と、それでも及ばなかったライバルに対する悔しさ。フィギュアスケートGPファイナルで4季ぶりの王座奪還を目指した羽生結弦は銀メダルに終わった。
13年前、荒川静香が日本人初の五輪金メダルを獲得したトリノで行われた最終決戦。SPではコンビネーションジャンプが不発に終わり、GPファイナル連覇中のネイサン・チェンに13点近く離された羽生は、史上最高難度の構成でフリーに臨む。...
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全てを出し切った。そんな達成感と、それでも及ばなかったライバルに対する悔しさ。フィギュアスケートGPファイナルで4季ぶりの王座奪還を目指した羽生結弦は銀メダルに終わった。
13年前、荒川静香が日本人初の五輪金メダルを獲得したトリノで行われた最終決戦。SPではコンビネーションジャンプが不発に終わり、GPファイナル連覇中のネイサン・チェンに13点近く離された羽生は、史上最高難度の構成でフリーに臨む。冒頭の4ループを完璧に決めると、2年前に大けがを負った最高難度技・4ルッツも成功。実に合計4種類5本もの4回転ジャンプを決めた。しかしラストの3アクセルのコンビネーションが抜けてしまい減点に。合計291.43点と優勝のために必須な大台の300点には乗せることが出来なかった。
SP、フリー共に全ての4回転を成功させたネイサン・チェンは自身が打ち建てた世界最高得点を大きく上回る335.30を叩き出し、GPファイナル3連覇を決めた。羽生に40点以上の差をつけてのファイナル制覇。苦手だった3アクセルも完全にものにした4回転の申し子はその牙城を揺るぎなきものにしたようだ。
「もう練習したいです、早く」試合直後のインタビューで羽生は悔しさを露わにする。「旧採点の頃の点数まで抜かれて…滅茶苦茶悔しいです。今に見とけって思ってます」この日25歳の誕生日。今大会の公式練習でもチャレンジした4回転アクセルは徐々に形になりつつある。まだ誰も成功していない“4回転半“という目標がある限り、羽生は高みへ挑み続けることだろう。
一方、女子はGPシリーズを席巻したロシアトリオの独壇場になった。世界最高得点を更新したコストルナヤを筆頭に2位は2019世界ジュニア銀のシェルバコワ、2018-19の世界ジュニア2連覇を達成したトルソワが3位と表彰台を独占してのけた。3人ともいずれ劣らぬ4回転ジャンプの使い手たちだ。前年女王の紀平梨花は4位。平昌五輪金メダリストのザギトワが最下位の6位に沈むなど、勢力図の入れ替わりの早さにはただただ驚かされるばかりである。それでも紀平は今季初めて挑んだ4回転サルコーに「すごく挑戦して良かった」と、その意義を語った。男子も女子も4回転が基調になったこのシーズン。氷上の闘いはさらに未知なるゾーンへと突入する。
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ビーチサッカーW杯・日本代表が過去最高成績(12月6日)
ビーチサッカーのワールドカップで過去最高タイとなるベスト4の成績を修めた日本代表が凱旋帰国した。ラモス瑠偉監督は「こんなに難しい監督の下でやるのは選手たちにとって大変だったと思います。感謝で一杯」と謝意を述べた。
ビーチサッカーW杯はFIFAの主催となった2005年に、それまでの世界選手権から名称を変えてスタートした。09年からは2年に1回の開催となっている。日本は第1回大会でベスト4進出の快挙を達成した。...
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ビーチサッカーのワールドカップで過去最高タイとなるベスト4の成績を修めた日本代表が凱旋帰国した。ラモス瑠偉監督は「こんなに難しい監督の下でやるのは選手たちにとって大変だったと思います。感謝で一杯」と謝意を述べた。
ビーチサッカーW杯はFIFAの主催となった2005年に、それまでの世界選手権から名称を変えてスタートした。09年からは2年に1回の開催となっている。日本は第1回大会でベスト4進出の快挙を達成した。今回のラモスJAPANはそれ以来となる4位入賞。だがその内容には大きな違いがある。10回目の開催となり参加国数は16カ国と大幅に増加した。ラモス監督が「今回はアジア王者として参加した」と強調するように、アジア地区予選を制して臨んだ大会である。さらにグループステージでは第1回大会では成しえなかった首位通過を達成。準決勝で今大会優勝のポルトガルに延長まで死闘を繰り広げ、PKの末に惜しくも敗れた。3位決定戦のロシアとも接戦となり、4-5とあと一歩及ばなかったが、前回の3位決定戦では開催国のブラジルに11点を奪われる大敗を喫したのに比べ、大きな成長が窺える内容だった。
さらにMVPには優勝チームを差し置いて日本チーム最多の7点を挙げた茂怜羅(モレイラ)オズが選出。4位チームながら最高の評価を獲得した。ブラジル生まれのビーチサッカー。その国から7年前に日本へ帰化した男が30年前に日本人となった指揮官のもとで日本代表を躍進させたのだ。「帰化したことに誇りを持っています。この素晴らしい国を愛しています」ラモス監督はそう笑顔で締めくくった。海に囲まれた日本。多くの美しい海岸に恵まれたこの国でビーチスポーツは益々発展していくに違いない。
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