【あの一言】
“非伝統的”安全保障…ワクチン開発で
元防衛相・森本敏 中国はワクチンを供与する時にいろいろな条件をつけている。インドネシアへは「南シナ海への関与を口にするな」ということを条件にワクチンが提供された。中国は条件をつけて交換取引でどんどんワクチンを出していて、これは一帯一路でのやり方とよく似ている。一番大事なのは特許で、これからは特許がワクチン外交の中で大きな位置を占めていく。日本や米国では特許そのものを権利として認めるというふうに考えていかないと、会社のインセンティブだとか利益だとかを守れない。中国はワクチンを商品にして外交に使っていくと、途上国にはありがたいことだがワクチンナショナリズムの規制がなくなっていく世界ができていく。特許なしにどんどん出すという例外を認めてしまうと資本主義社会では困ったことになる。
2021/01/04 BS-TBS[報道1930]
ニュース解説・堤伸輔 例えばイスラエルとかサウジアラビアのように米国のファイザーのワクチンを入手することができた国は米国製ワクチンを使っているが、アラブ首長国連邦のほかにもモロッコ、エジプト、バーレーンといったような国は既に中国ワクチンの2種類のいずれかを使う方向になってきて、この動きは昨年12月からスタートしている。これらの国に中国は一方的に輸出しているだけでなく、治験の第3相試験をそれぞれの国の中で行い、有効率86%とかの数字を出しそれに基づいて供給している。中国はある意味ワクチン入手が難しい国を輸出の対象として見ている。
2021/01/04 BS-TBS[報道1930]
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